
雨が止まない場合の「今から晴れるよ!」って空に手をかざすネタも最近では効力が薄くなりつつあります。。。
屋外の撮影は諸刃ですね。
人間の立てたスケジュールなんて自然界には関係ありませんので、容赦無く予定を打ち砕いてくれることもあれば、ミラクルな美しいショットが撮れることもありますので、とにかく屋外での撮影は諸刃なのです。
勿論天候に限った話だけではなく、撮影の進行を妨げる要素が「外」には沢山あります。
しかしそれを全部「運」だのどうだの言ってられませんので、色々考慮した計画が必要ですよね!
そこで、今回は僕が屋外で撮影を行う際に考慮している事をまとめてみました。
勿論「晴れさせる裏技」とかではなく、あくまでも「考えておいた方が良いこと集」ですが、実際の経験に基づく事なので、個人で映像制作をされている方、特に最近始められた方には参考になるかと思います。
屋外の動画撮影で失敗しない為に考慮すべき6つのポイント

屋外での撮影は時間との勝負です。
全ての問題は撮影時間のロスに直結します。
天候
これは撮影1週間前ぐらいにならないとハッキリしないので気を揉みますね。
なので、理想の天候ではなかった時の代案をクライアントに確認しておく必要があります。
主に以下の3種類になります。
- 予備日の確保が可能か
- 外のシーン全カットの可能性
- どんな天気でも決行するか(ある程度)
予備日を設ける場合は小規模の撮影だったとしても、2回分のコストが掛かるので、予算に余裕が無いと厳しいですね。
当日のロケーションの状況
入念に決めたロケ地でも当日様子が違っていることがありますので要注意です。
公園などの公共施設の許可を取る際には決まって「貸し切るわけでは無い」と言われます。
どういうことかというと
「そこでの撮影は許可するけど、人を退かす権利はないからね」
ということです。
こういった場所での撮影は早朝にやってしまうに限ります。
しかし敷地外の建物の工事が始まっていたり、目立つ看板が設置されていたり、木に電飾が巻かれていたり、背景となる部分が大きく変わってしまっていることもあるので注意が必要です。
季節の影響
秋は紅葉とか、冬は枯れてるとか、そんな当たり前の話ではありません!
春
4月と5月は天候は安定しており、気温も丁度良いので撮影しやすいです。
地域にもよりますが、5月下旬から7月半ばまでは梅雨なので、屋外で晴れの撮影は望みにくいところです。
思い切って屋内の撮影に振り切って進めた方が精神的な負担も軽いと思われます。
夏
日照時間が長く、雨も少ないので長時間の屋外撮影が可能ですが、直射日光が強過ぎて画作りが難しくなるのも事実。
ディフューザーやNDフィルターの出番が多く割と手間がかかるので、真夏の場合11:00-15:00は避ける事も多々あります。
また、出演者の汗対策と蚊対策は重要です。
特に女性の場合はテカリを抑える為に、メイク直しの時間は確保しておいた方が良いです。
晴れが多いってだけで楽観的になっていると思わぬところで足止めを食うのが夏の撮影です。
中には眩しくて目を開けられない人もいるし、日焼けして肌の色が全然違う事も実際あったし、「そんなまさか!」って事件が多いです。
秋
9月は中旬頃まで台風が多いので、屋外の撮影予定は立てない方が良いです。
毎年この季節のイベントが大打撃を受けているのに自分だけは大丈夫なんて思ってたら痛い目見ます。
それと、日照時間はぐんぐん短くなるので、8月の感覚で挑まず、しっかり日没時間を確かめておきましょう。
ちなみにこの季節は雲が多いので、日没直後の空がピンクやオレンジに染まって綺麗です!
9月後半からの1ヶ月ぐらいは気候的にも屋外撮影しやすいですね!
また、太陽の角度がMAXで55度なのでその前後などは理想的な照明効果が得られます。
参考:kitajima architecture design.com
冬
日照時間が短いですが、太陽が常に低い位置にあるので真昼でも雰囲気のある画を作りやすいです。
あと、長く伸びる影も、白い息もこの季節ならではですね!
さて、冬の撮影あるあるですが、1月2月の撮影は大体春先の公開を狙ったものが多く、どう考えても薄着で臨まなければならないといったケースが多々あります。
出演する側にとっては寒さとの戦いでカイロ必須です。
暖を取りながらなので、ぶっ通しで外で撮る事は出来ません。
予想外の事態でいえばモデルの鼻が赤くなって戻らないなど、寒さゆえの現象でしょうか。
夏場の日焼けと言い、人の肌には常に悩まされますね…
そして限界まで枯れきった草木には、ただただ絶望するのみですので、冬でも葉をつけている常緑樹のある場所などを数カ所知っていると気が楽ですね!
ただ、公開時期の都合とかが無いのであれば、条件を生かしたクリエイティブに時間を注ぎたいですね^^
雨が少ないのも特徴です。
参考:kitajima architecture design.com
移動時間
一日で複数のロケ地を回る場合、移動時間をしっかり計算しておく必要があります。
時間帯によっては道路が凄く混んでいますので、地図アプリの情報を鵜呑みにするのは禁物です。
特に注意したいのは都心部の8時、17時前後ですね、大渋滞です。
夕日を撮りに行くなら17時以前に現地入りしておかないと肝を冷やしますね。
曜日も考慮しつつ、コアタイムを避けた移動スケジュールを立てることで撮影をスムーズに行えます。
トイレと駐車用
トイレは行けるときに済ましておくのが当たり前ですが、複数人いるとどうしてもイレギュラーが発生します。
事前にどこにトイレがあるのかチェックしておくと現場入りの直前に済ませる事もできるし安心ですね。
あと僕はプラスアルファで下痢止めも常備しています。
腹を下した出演者が遠くのコンビニまで行ってなかなか帰って来なかった事があるので^^;
それと駐車場の場所の共有も大事です。
全員が一台の車で移動するなら問題ないですが、バラバラで向かう場合などに集合するだけで余計な時間を食ったりもします。
無計画で現場に乗り付けて駐車場が無くてグルグル回るなんて事もありますからね。
事前に指定して共有しておくだけなので、人数が多い時は先に決めておきましょう。
とにかく時間のロスを最小限にする為にできる事はやっておいた方が良いです。
バッファの確保
屋外の撮影では上記で挙げたことの他にも、思わぬハプニングで時間を食うことがあります。
そんな時の為に、調整時間をスケジュールに組み込んでおくことをお勧めします。
スケジュールを組む時は、どうしてもギチギチに詰め込みたくなったりするものなんですが、そこを冷静に考えて実現可能なスケジュールを作成することが大事です。
そして更にバッファ(余裕)を組み込むことで、そのままですが余裕が生まれ、丁寧な作品作りが行えます。
この余裕があるのと無いのでは、作品の出来が大違いなので、必ず確保しておきたいところです。
まとめ

屋外での撮影時に考慮しておきたい6つのポイントでした。
当たり前に聞こえる話も多いかもしれませんが、自分自身が心して望んでいたとしても、全員が同じ温度感とは限りませんので、何が起きても「想定内」で居られることが重要だったりします。
全ては作品のクオリティの為に、そして撮影に関わる全ての人達の為に、事前に予想がつきそうな事は先に対策を用意しておく。
これが屋外撮影を円滑に行うポイントだと思います。
ではまた!