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4:2:2 10bit動画の仕組みを解り易く解説【YCbCrが理解できる】

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4:2:2 10bit動画

近頃のプロ・ハイアマチュア向けのカメラやモニターでは、4:2:2 10bitの記録が一般化してきていますが、4:2:0 8bitと比べてどれぐらいの差があるのか今ひとつピンとこないですよね。

そもそも、4:2:何とか何bitがどういう関係で何を表しているのか?

そしてよく出てくるYCbCrとは何なのか?

10bitの方が質の高い映像を記録出来るというのは、なんとなくわかる気がするけど、それ以上の細かい話はややこしそうなので敬遠しがちだったりしませんか?

これ苦手やねん…そもそも何て読むの?

フォートゥートゥーって読みますよ!

この記事は、一つ一つの言葉が表す意味を理解することで、今までスルーしてきた内容を一気に理解して、モヤモヤを吹っ飛ばそうというものです!

ちゃんと理解することで、今後の機材選択や撮影フォーマットの選択に自信が持てるようになりますよ^^




4:2:2 10bit動画の仕組みを解り易く解説

4:2:2 10bit動画の仕組みを解り易く解説

4:2:2 10bitの説明で、よくマス目状のピクセルの図を見かけますが、そこに行く前に下記の3つの意味を理解しておく必要があります。

  • bit深度による階調の滑らかさ
  • YCbCrとは?
  • クロマサブサンプリングとは?

この3つがゴッチャになっていると、途中で混乱してしまいます。

関連性はありますが、それぞれ独立した内容なので、分けて理解しておくと、かなりスッキリしますよ!




bit深度による階調の滑らかさ

bit深度による階調の滑らかさ

8bitとか10bitの「bit」というのは1ピクセル当りに割り当てるデータ量のことで、下記のように表現されますが、意味は全て同じです。

  • ビット深度
  • 色深度
  • ピクセル深度

上記の図(輝度)で言うと、黒から白の間に何段ステップがあるのか。

例えば、一番上の1bitが1ステップ(2色)なのに対して8bitは255ステップ(256色)で表現出来るように、bit深度が大きくなるにつれて色の階調表現が豊かになります。
ちなみに10bitの場合8bitをはるかに上回る階調表現の豊かさを持ち合わせておりますが、我々が普段使っているPCのモニターは大半が8bitまでの対応なので、上の図に加えてもその違いは見てわかるものではありません。

ここではまずファーストステップとして、bit深度が深くなる事でデータ量が多くなり、階調が豊かになるということだけ理解できれば大丈夫です。

さて、更に発展した話になりますが、例えば8bitの場合R,G,Bそれぞれで「256色」を表現できますので、それぞれの組み合わせで1ピクセル当り約1677万色を表現出来るということになります。

そして10bitの場合はR,G,Bそれぞれで「1024色」を表現できますので、その組み合わせで約10億7374万色を表現出来るということになります。

bit深度による階調の滑らかさ

この2bitの差がとんでもなくデカく、映像クリエイターが10bitに拘るのもそういう理由です。

因みに12bit RAWだと約680億7200万色ということで、なんだかもう反則みたいなもんですよ笑

メリットとして、階調表現が豊かになる分、バンディングなどの色むらが少なくなる事が挙げられますが、デメリットとしては、当然データが重たくなるので、ストレージとハイスペックな編集環境が必要になります。




YCbCrとは?

デジタルビデオの記録方式として使用されているのがYCbCrで、YUVやYPbPrなどは同義と考えて頂いて問題ありません。

画像はRGBで構成されていますが、映像はYCbCrというわけです。

意味は下記の通りとなります。

  • Y→輝度(Luma)
  • Cb→青差(Chroma blue)
  • Cr→赤差(Chroma red)

RGBの感覚がどうしても抜けなくて、「あれ?緑はどうやって表現するの?」って思われるかもしれませんが、下記の色差マップで示されるように、YとCbとCrの三つで色は表現出来るのです。

YCbCrとは?
参考:Wikipedia
YCbCrとは?
参考:Wikipedia

MPEGなどの動画形式ではRGB方式ではなく、YCbCr方式で色情報を記録しており、理由は、YCbCrの方がRGBで表現する場合に比べ、画像のデータ量削減が容易だからです。

この「データ量削減」と言うのが次に説明するクロマサブサンプリングに関係します。

因みに輝度(Luma)が「Y」と表記される理由は、CIE表色系で表した場合の輝度がY軸に当たることからです。




クロマサブサンプリングとは?

クロマサブサンプリングとは、動画のデータを効率よく削減する技術の事です。
その削減の仕方の比率を表現したものが、よく見かける下記の表記です。

  • 4:4:4
  • 4:2:2
  • 4:2:0

人には輝度の変化には敏感だが、色の変化には鈍感であるという性質がある。 これは目の構造によるものだが、この性質を利用すれば人間に認識しづらい領域をカットすることでデータ量を削減できる。 画像をRGBではなくYCbCr形式で表現したのは、この性質を利用するためである。 すなわち、輝度Yの成分は削減できないにしても、色差Cb/Crの成分ならある程度間引いてしまっても、人には同じ画像に見えるのである。

参照:YCbCrとクロマサブサンプリング

輝度はそのまま残しておいて、色差Cb/Crの量を間引いて軽くしてしまおうという技術です。

しつこいかもしれませんが、「動画を軽くする為の技術」の話です。
更に言うと「動画圧縮の一つです」

さて、ではどんな仕組みかを順番に説明いたします。




4:4:4

クロマサブサンプリングは横4ピクセル×縦2ピクセルの範囲で行われますが、これが基本単位なので、そこは何も考えず受け入れてしまいましょう。

4:4:4

左の数値は輝度(Luma)を表しておりクロマサブサンプリングの場合全てのピクセルにおいて輝度の情報は保有されますので、この数字が4以外になる事はありません。

真ん中の数値は上段に記録された色差(Chroma)情報の数です。

この場合全てのピクセルに色差情報が記録されます。

最後に右側の数値ですが、これは下段で上段と同じことが起きている回数を表します。

ここで「どう言うこと?」ってなると思うんですが、この場合ですと上段と同じく4つのピクセルに色差(Chroma)情報が記録されたので「4」と解釈します。
よって4:4:4は無圧縮の状態であり、高品質ですが、一番大きいタイプのデータとなります。




4:2:2

4:2:2

ようやくお出ましです。
本記事のタイトルにある4:2:2ですね!

SONYのα7sⅢやCanon EOS 1DXmkⅢなどで内部記録できるようになり2020年から話題沸騰しているサンプリング形式です。

まず、全てのピクセルにおいて輝度の情報は保有されますので、どこを見ても「Y」と書かれているはずです。

続いて、上段で記録された色差情報は2つで、その情報は隣のピクセルにコピーされます。

そして下段でも色差情報は2つ記録され、その情報は隣のピクセルにコピーされましたので、4:2:2となるわけです。

4:4:4と比べると半分のデータ量ですが、それでもありがたい情報量なので注目されているわけですね!

実際編集してみるとわかりますが、ちょっと強引にカラーグレーディングを行なったとしても相当粘ってくれますので、僕個人としてはこれで十分です。




4:2:0

4:2:0

これが一般的なサンプリング方式です。
もう一目瞭然かと思いますが、例のごとく輝度は全てのピクセルに記録されています。

続いて上段で記録された色差情報は2つで、その情報は隣のピクセルにコピーされます。

そして下段では色差情報が一切記録されませんでしたので、上段のピクセルから色差情報がコピーされます。
よって4:2:0となるわけです。

世の中の殆どの映像がこのサンプリング方式で、4分の1のデータ量で見た目がそれほど崩れないと言うことで、何十年も使われてきています。

しかしこんなに派手に削っちゃって大丈夫なもんなのかね?と疑問に感じざるを得ませんが、「人には輝度の変化には敏感だが、色の変化には鈍感である」ということで開発された技術ですから、各ピクセルが保有している輝度情報が有効なことで割と柔軟に表現できていたりするわけです。

もちろんエッジを拡大してみるとボヤケテいたりしますが、ぱっと見は違いが解りにくいということです。

4:2:0

誰が考えたのか知りませんが、すごい技術ですよね!


と言うことで

  • bit深度による階調の滑らかさ
  • YCbCr
  • クロマサブサンプリング

この3つをご理解頂けましたでしょうか?

特にbit深度とクロマサブサンプリングがごちゃごちゃになってしまうことがあるかもしれませんが、bit深度はあくまでも「1ピクセル内の話」という風に分けて考えましょう。

そしてYCbCrはクロマサブサンプリングに適したビデオの記録方式ということですね!輝度だけ独立させておくことで、こんな軽量化が実現するのですから、そりゃ動画がRGBじゃないのも理解できますよね。




まとめ

4:2:2 10bit動画の仕組みを解り易く解説【YCbCrが理解できる】

なんとなくは解るけど、”人に説明するのは難しいランキング”の上位に入ってそうな話題でしたが、新しい発見はございましたでしょうか?

正直これを知ったところで、直接業務に役立つかは微妙ですが、これから更にカメラが進化する上で、スペック表を見た時にパッと理解する為には必要な知識かと思います。

❶ Bit深度が作品に及ぼす影響としては、8bitよりも10bitの方が階調表現が豊かなので、バンディングが発生しにくいという利点があります。

❷ クロマサブサンプリングに関しては、4:2:0のように大半のデータを間引いているサンプリング方式だと被写体のエッジ(輪郭)がぼやけてしまうので、クロマキー合成を行うのには向いていませんが、一般的な映像は大半が4:2:0ですし、十分なクオリティはあります。(人気のα7Ⅲも4:2:0ですよ!)

❸ そしてYCbCrはクロマサブサンプリングに適したビデオの記録方式ということでした。

この3つは同時に語られることが多いので、あべこべになりやすいのですが、少しでも整理して頂けたなら幸いです。

ではまた!

こちらの記事も合わせてご覧下さい。
»カラーグレーディングの基礎【方法や手順はどのソフトも同じ】

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Shinpei Nakamura(ADEMOYO)

2014年から映像制作を開始。
制作案件はMVを中心にライブビデオや企業/店舗のPRビデオまで幅広く、企画から撮影/照明/音声/編集に到るまで基本ワンオペのハードモードFilmmaker。ヒーヒー言いながらやってます。
旅と屋台を愛し、2019年はストック素材撮りと称して1年弱アジアからヨーロッパを彷徨いながら撮影を敢行。超楽しかったです(^^)
このブログでは、誰でもカンタンに出来るビデオ撮影方法から、こだわり抜いた撮影/編集まで、割と広めの役立つ情報を公開していこうと思っています!