Indieemotion

動画・映像制作の役立つ情報を発信するブログ「 インディーモーション」

Premiere Proで書き出した動画の色が変わる問題【QuickTimeガンマバグ】

投稿日:2020-06-16 更新日:

Premiere Proで書き出した動画の色が変わる


Premiere Proユーザーの皆さん。
動画を書き出した後、色あせてしまう問題で困ってませんか?

いくらカラーグレーディングで追い込んでも、書き出したデータの色が変わるんじゃ意味ないですよね。。

僕自身MV制作を年間に数十本行う身なので、仕上がりにはほんと気を揉みますし、早くこの問題から解放されたい想いは凄くわかります。

ちなみ海外ではこんな声も上がっています。

これは映像をPCでガラクタのように見せるためのAppleのマーケティング戦略じゃないのか?
これが何年にも渡って修正されない理由って他に考えられる?

私はこの問題で髪を引き裂いています!!!


この記事では、長年フィルムメーカーを悩ませ続けているこの問題への対処方法をご紹介します。

かなり有効です!




Premiere Proで書き出した動画の色が変わる問題

動画の色が変わる


この分野の話って、アートとかクリエイトとかじゃなくて、サイエンスなんですよね。そりゃ普通は誰だってつまずきますよ。

Adobeも認めている

プロジェクトにおけるカラーマネジメントの効果
Premiere Pro でのカラーマネジメントは、色域 P3 表示と sRGB 表示を使用してカラーを正確に表示することで、プロジェクトに影響を及ぼします。
カラーマネジメントを使用しても、YouTube 動画のカラーとコントラストは補正されません。また、Premiere Pro または Adobe Media Encoder から書き出した後にフッテージが色あせて見えるガンマの問題も修正されません。この問題の詳細については、QuickTime ガンマバグを参照してください。

参考:Premiere Pro のカラーマネジメント


“QuickTimeガンマバグ”

又は”Gamma shift”と呼ばれている問題です。


このキーワードさえ解れば海外サイトでザックザック情報を掘り起こせるわけですが、ある程度議論は尽くされていますので、簡単にまとめさせて頂きます。




問題の詳細

問題はシンプル。Premiere Proで書き出した映像をQuickTimeやSafariで再生させた場合に色あせているという現象。
見てわかる通り、書き出し後QuickTimeで再生させると色あせています。

Premiere Proの編集画面
QuickTimeの再生画面



問題が起きる原因

ガンマは「1.9」「2.2」「2.4」と3種類あり、それぞれカーブは異なります。
アプリケーションの開発側が、どのガンマに設定するかを決定するにあたっては、どの分野の層に向けたアプリケーションなのか、というところがポイントになるでしょう。
世の中の映像が全て統一されていない以上、起こるべくして起きている問題と言えます。

Premiereは、モニターがRec709色空間に設定され、フッテージがテレビ放送のガンマ標準であるため、ガンマ2.4を参照して記録されたという仮定に基づいてビデオを表示します。

モニターは長年にわたってかなり標準化されてきましたが、アプリはそうではありません。 QuickTime、Final Cut Proなどのその他のアプリ、およびChromeやSafariなどのWebブラウザーは、モニターの設定にかかわらず、シーン参照ガンマ1.96プロファイルでビデオを表示します。

参考: ”Why does my footage look darker in Premiere?” Color Q&A 


■ガンマ1.9でビデオを表示するアプリケーションの例

QuickTime
Final Cut Pro
Safari
Chrome
Finder


■ガンマ2.4でビデオを表示するアプリケーションの例

Adobe Premier Pro
DaVinci Resolve
Firefox
VLC media player


書き出し後、QuickTimeで再生させた場合と、VLCで再生させた場合の比較

QuickTimeの再生画面
VLCの再生画面
Premiere Proの編集画面

VLCだとPremiere Proと同じになりますね!
この通り、再生するアプリケーションによって見え方が変わるわけです。



具体的な対策

さて、ではさっそく対応策について解説しますが、これから説明する内容は、あくまでも対策であって、解決策ではありません。ただし、有効な対策であることは間違いありません。なぜなら、それを提供しているのが

Adobeだからです!

では手順を説明します。

  • 2.Premiere Proのカラーマネージメントを有効にされていない場合は、有効にして下さい。
カラーマネージメント
  • 3.多くの場合LUTを適応する為に調整レイヤーを使ったり、フッテージに直接適応する場合がありますが、この方法ではエンコードする際に適応します。

    ファイル>書き出し>メディア と進み、エフェクトタブで「Lumetri look/LUT」を有効にします。続いてプルダウンメニューから「選択」を選び、手順1で保存したLUTを選択します。
LUT適応

LUTを選択しても「なし」と表示されたままですがこれは気にしなくて良いです。左の出力イメージの色は変わったはずです。

LUT適応
  • 4.「書き出し」を押して完了です。が、念のためLUTを適応してないバージョンも書き出して保管しておきましょう。もし保管するのを忘れていた場合は下記の「反転LUT」を使って元に戻すことが出来ます。しかしエンコードを繰り返すことは画質の劣化につながるので、バックアップしておくことを強くお勧めします。
    Undo Gamma Compensation LUT

いかがでしょうか?若干誤差はありますがかなり再現度の高いLUTだと思います。
上から順に
・LUT適応前
・LUT適応後
・Premiere Proの編集画面

QuickTimeの再生画面
LUT適応後のQuickTime再生画面
Premiere Pro編集画面



しかし、これで「めでたし めでたし」では無いですよね?

QuickTimeで見て満足のいく結果になったのであれば、元から満足のいく環境だったVLCやFirefoxではどうなってしまうんだろう??

こちらがテスト結果です。

Premiere Pro編集画面
LUT適応後VLC再生画面
LUT適応後Firefox再生画面

思った通りコントラストが高く彩度も高いですね。
でも許容範囲かな?

実際気にするとしたらFirefoxで見る人が違和感を感じないかな?というところぐらいで、VLCでの再生結果はスルーして良いと思うんですね。

ちなみに世界のブラウザシェアは下記の通りです。
(2019年12月の情報)

・Chrome:66.6%
・Firefox:8.4%
・Safari:6.0%

70%カバー出来るなら、やらない手はないですね。




結論

そもそもの問題は再生機器の問題ではなく、
アプリケーションが採用しているガンマに起因するというお話でした。

そして、ガンマ1.9でビデオ表示する大半の利用者層に、狙い通りの映像を見てもらう為にLUTで対応するというのがAdobeの提供する対策ということです。
そのかわりガンマ2.4や2.2の環境の方へはコントラストが高く彩度が高い映像を提供することになります。

実際にLUTを適応する前と後とではデータそのものが違いますので、LUT適応後のデータを再びPremiere Proに入れると、濃い映像になりまが、これは当然の結果ですので頭を悩ませる必要はありません。

仕事などで、自分が編集したデータを誰かがもう一度編集するのなら、LUTを適応してないデータを渡すべきでしょう。

さて、今回の一連の話に関してですが、「本来LUTは当てなくて良いものである」というのが正しい認識だと僕は思っています。しかしこの対策は良さそうなので使っていこうと思います。

見る人の環境によって変わることは当然わかっていますが、より多くの方に本来見せたかった映像を届ける為に、出来ることがあるのならやってみようというわけです。

今後もこの件にまつわる情報はアップデートされる可能性があるので
アンテナ張っておきたいと思います。

では!

【初心者】知らないと損! Premiere Proのショートカット5選

動画撮影のホワイトバランスを理解する【状況に応じた対処法】


参考記事
・How To Fix Desaturated Colors In Your Adobe Premiere Pro Exports
・出力後に彩度が低くなる問題の解決方法【Premiere pro CC 2019】



編集
-

関連記事

【簡単】Premiere Pro テロップのデザインを一括変更する方法

動画編集が全部完了した後でテロップの影の量や色が気になったりする事ってありますよね。もしくはクライアントから「もう少し文字大きくしてもらえないかな?」と注文が来たり…一個ずつ変更するのって時間が掛かりますので一発で変更したいですよね。可能です。

a6400/α7Ⅲで簡単にシネマティックな動画を撮影する為の設定

ソニーのα6400やα7Ⅲ、α7sⅡ/Ⅲを購入して動画を撮ってみたけれど「あれ?なんか普通じゃない?…」「映画っぽくならないんだけど…」「やっぱ専門的な勉強が必要なのかな。。」と感じられる方って結構多いのではないでしょうか?

PremiereProプロジェクトマネージャーを使ってPCを軽くする

動画制作をコンスタントにこなしていると、あっという間にストレージが一杯になりますよね。。PCのパフォーマンスを上げる為には出来るだけ本体容量を空けておきたいですし、まぁ外付けHDDに入れておけば良いんだけど、それはそれでキリがなかったりします。

Premiere proのカラーグレーディングツール:色相/彩度カーブ

みなさん、Lumetri カラーの中にある「色相/彩度カーブ」を使いこなせてますか?カラーグレーディングにおいてとても重要な機能ですが、ちょっと敬遠されがちというか、僕自身も最初はチンプンカンプンで、「色相 vs 彩度」とか「彩度 vs 彩度」って

【初心者】知らないと損! Premiere Proのショートカット5選

みなさんキーボードショートカットは利用されていますか?〜実際使わない機能も沢山あるので全部覚える必要はありません。この記事では、少しでも時間短縮する為の簡単なショートカットをご紹介いたします。





Indieemotion(インディーモーション)管理人
Shinpei Nakamura(ADEMOYO)

2014年から映像制作を開始。
制作案件はMVを中心にライブビデオや企業/店舗のPRビデオまで幅広く、企画から撮影/照明/音声/編集に到るまで基本ワンオペのハードモードFilmmaker。ヒーヒー言いながらやってます。

旅と屋台を愛し、昨年はストック素材撮りと称して1年弱アジアからヨーロッパを彷徨いながら撮影を敢行。超楽しかったです(^^)
このブログでは、誰でもカンタンに出来るビデオ撮影方法から、こだわりり抜いた撮影/編集まで、割と広めの役立つ情報を公開していこうと思っています!

好きな言葉
“さらに良くしようとして、良いものを駄目にしてしまうことが多い”シェイクスピア