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一眼動画撮影でやりがちな失敗13選【誰しもが経験する!?】

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一眼動画撮影でやりがちな失敗13選

一眼の動画撮影って、あれこれ考えることが多くて大変ですよね!
iPhoneのようにRECボタンを押すだけではないので、ちょっとしたミスで素材が使い物にならなくなる事も珍しく有りません。

そんな、誰しもが一度や二度経験するであろうビデオグラファーがやってしまいがちなミスを13個ピックアップしてみました(悪魔の数字に準えて)。

まだそんなに撮影現場を体験していないという方にとっては「そんな事ってあるの?」って思われるかもしれませんが、これが意外とあるあるなので、『賢人は歴史から学ぶ』スタイルで、心に留めておいて頂ければと思います^^
因みに僕は経験から学ぶ愚か者なので、この記事でお伝えする内容は全て身を持って体験済みです!!

作品のクオリティを上げる為に、新しいスキルの習得も大切ですが、いかにミスを減らすか、というのも重要ですので、さらっと目を通して頂ければと思います^^




一眼動画撮影でやりがちな失敗13選

一眼動画撮影でやりがちな失敗13選

「失敗は成功の母」と言います。
確かにそうやってリカバリー方法を身につけたりして上達していくものなのですが、何度も同じ失敗するのは良くないですよね^^;
非効率この上ないです。

では早速いってみましょう!



1.被写界深度が浅すぎてピンボケ祭り

一眼動画の良いところは、何といってもボケですよね!
でも何でもかんでもF値開放で撮っていると、ピントが外れやすくなり、使えない素材を量産してしまうことになります。

よくあるのが、被写体と割と近い距離で撮影する際に、顔はしっかり捉えているけど耳はボケているとか、逆にAFが耳とか前髪に合っていて瞳がボケているとかです。
ほんの少しの誤差みたいなものですが、無意識に視線を送る部分がボケていると、見ている側は凄く疲れるので、被写界深度を不必要に狭めるのはお勧めできません。
あとは2人以上の人物が被写体の場合ですね、誰か一人にしかピントが合ってないショットは編集時に地獄を見ます。
とは言え、撮影時は気付きにくいものなので、余裕があれば外部モニターがあるとミス防止になりますね!



2.設定の戻し忘れ

よくあるのが、スローモーション撮影後にそのままの設定で撮ってしまうというパターンですね。
中には常に120fpsでシャッタースピードを1/250固定で撮影して、後で編集の時に当倍速で使ったり、スローにしたり、選択の幅を持たせるという方もいらっしゃると思いますが、それをやると当倍速の時にモーションブラーが無い固い映像になってしまいます。
スピードランプという速度に緩急を付ける編集を目的とした素材撮りなら、滑らかさを捨ててインパクトを取るので、上記の設定で撮影することもありますが、そうじゃ無いなら、ちゃんと当倍速用に設定を戻してあげるのが一番です。
スローモーションの撮影に関してはこちらの記事をご覧下さい。
»一眼レフでスローモーション撮影する際の間違い5選【割とやりがち】



3.何となく手持ちで撮影した素材が使い物にならない

大したショットじゃ無いから三脚もジンバルも無しで、サクッとハンドヘルドでいっちゃおう!
というノリで撮った素材に限って、ブレブレで編集時に手を焼くことになります。
他の素材とキャラクターが違うというか、宿っている何かが違うぐらいの差が出ます。

そもそも手持ちで撮影する時って、環境の判断とか目的があって、その方法がベストと判断した場合なんですよね、なので無精してやるものでは無いのです。
後々、編集時にワープスタビライザーでブレを誤魔化す事も出来ますが、カメラワークによっては対応しきれない場合も大いにありますので、要注意ですね!


4.RECボタンの押し忘れ

「REC押し忘れるとかある???」って思うかもしれませんが、人間キャパを超えると何をしでかすかわかりません笑。
切羽詰まった環境や、プレッシャーがエグい環境であればある程、普段なら絶対起きないミスが起きたりするのです。
(又は極端な気の緩み←絶対ダメ)

僕の場合MVの撮影が多くて、バンドだと一回の撮影で10回以上演奏してもらう事もざらにあるのですが、特に体力を使うドラムの撮影で「あ!ごめんREC押して無かったわ!」なんて申し訳なさすぎて言えませんが、実際やってしまったら即座に止めなければいけませんので、指差し確認しても良いぐらいです。
テイクが多くなると自分の体力も奪われますしね^^;




5.撮影中にSDカードが一杯になる

撮影中に「カードがいっぱいです」と出るアレですね。
RECボタンの押し忘れと同じく、途中で撮影がストップするので現場の士気を落としかねません。
カメラの設定で、メディア残量の表示が可能な場合は都度確認することをお勧めします。
特にフレームレートの高い撮影が多い場合は、思ってたよりも早くカードがいっぱいになるので、早め早めの交換が良いですね!
もし後数秒というところでいっぱいになってしまった場合は、一応最後までカメラを回し続けて、ネガティブな空気を作らないように張り切ってもうワンテイク撮る事もあります。
でもそうならないようにするのが最優先です!

(落ち着け俺!落ち着け俺!)




6.撮影中にバッテリー切れ

REC押し忘れ、SDカードが一杯に並んでやってはいけないミスです。
ちゃんと残量はチェックして撮影を開始したいものです(特に長尺の場合は)
ちなみに、リチウムイオンバッテリーは、寒冷地だとイオンの動きが鈍くなり、充電残量に余裕があってもカメラからは「残量不足」と認識され、シャットダウンすることがあります。
冬場や寒冷地での長時間撮影では、カメラにカイロを貼るとかもありますが、結露のリスクがあるので、初めからカメラ全体の防寒対策をしておくのが良いですね!
要はバッテリーが冷えなければ問題無しです◎




7.AFが定まらず背景にピントが食いつく

逆光などではありがちですが、被写体にAFが食いついてくれず、どうでも良いものにピントが合ってしまい焦るということがありますね。
最近のカメラは性能が良いので復帰も早いですが、それでも難しい場合はMFに切り替えて被写界深度深めでセーフティーに撮影する事もあります。
フォーカスに関する詳しいことは、こちらの記事をご覧ください。
»【一眼レフ/ミラーレス】動画撮影でピント合わせを失敗しないコツ7選




8.レンズ交換を省略して謎のドアップを撮ってしまう

これ以上後ろには下がれないけど、まぁギリギリ構図としては成立してるし、時間もないしこのまま取っちゃおうという時に限って、モデル(又は役者)がジワジワとカメラに近づいてきて、構図が破綻するなんてことがあります。
このケースで言うと、余裕が無いと言うのが一番良く無いのですが、仮にモデルが動かなかったとしても、編集時にレターボックス(クロップ)を入れる事を想定すると、もっと上下に余裕が要るというシチュエーションって結構あります。
無精せずに、ちゃんとレンズ交換しましょう!




9.テンパリ過ぎて無言になる

慣れない現場だと、余裕がなくて無言になっちゃう事ってありますよね^^;
でもその空気って伝染するので、良い作品を撮る上では大敵となります。
スケジュール的なことや、技術的な事など、現場では色んな問題が湧いてきますので、予めバッファを作っておくことは大事ですし、いざ本当に余裕がないっていう場合は、スケジュール的に厳しくても休憩を入れた方が良い時もあります。
そして被写体が人の場合は、納得のいくショットが撮れなかったとしてもそれが自分の問題であれ何であれ、相手を不安な気持ちにさせないよう配慮が必要ですね^^

OK!! 100点満点やー!折角やから120点目指してもう一回いこうか!



10.初期化し忘れてるSDカードで撮影を始めてしまう

空き容量のないメディアで撮影開始すると、すぐにカードが一杯になるのは当然のことですが、SDカードの枚数に余裕がない場合、フォーマットしなければいけませんので、そこで頭をよぎるのが「あれ?このデータって削除して良いんだっけ?PCに入れたはずだけど…いや待て、もし入れてなかったらやばいぞ!でもこれ消さな撮影出来ないしどうする俺!?」ですよね!
家の鍵閉め忘れてないか不安になるタイプの方は要注意です。
こういう単純な心配事を増やさないようにする為にも、撮影前日のルーティーンにSDカードのフォーマットを組み込むことを強くお勧めいたします◎




11.白飛びを意識し過ぎて被写体が真っ暗

“絶対に白飛びはダメ”という刷り込みが災いして、真っ暗な被写体を撮ってしまうことがあります。
編集時にそこだけ露出を持ち上げる予定なのですが、これがまたひどい結果になることばかりなので、思い切って飛ばしてしまうというのも場合によっては有りです。
勿論時間や人員に余裕があるのなら、場所や角度を変えたり、日中でも照明を使ったり、白飛びさせない方法はありますが、被写体が暗くなるか、白飛びするかの2択なら、白飛びを選んだ方が吉と出る場合もあります。
特に人物が被写体の場合、肌の露出がベストな状態で、空が多少飛んでるぐらいならそのまま撮る方が良いです。




12.NDフィルター無しでF値を限界まで絞る

日中の屋外撮影ではNDフィルターがほぼ必須です。
しかし、動画を始めたての頃などは、レンズの口径ごとにNDフィルターを揃えてなくて、仕方なくF値を限界まで絞って撮影することがありました。
どうなるかと言うと、一応撮影自体は出来るのですが、解像度が落ちますし、何よりもピントの合う範囲が広すぎて一眼っぽさのカケラも無いショットになります。
こうなると、ただ扱いにくいだけのカメラで残念な素材を撮って何してるんだろう感が出てきますので、モチベーション維持の為にも必要な投資は惜しまない方が良いです。
カメラアクセサリーについてはこちらの記事をご覧下さい。
»【厳選】ミラーレス/一眼レフと同時購入しておきたい周辺アクセサリー6選




13.一番良いテイクに余計な物が映り込んでる

何テイクか撮った中の”これだ!”と言うショットに限って、反射で映り込みがあったり、看板がしっかり入っていたり、まさかの自分達が置いた荷物が映り込んでたりするんですよね…
撮ってる時って本当に視界が狭くなってますので、現場で外部モニターを使ったチェックは本当に重要です。
それとREC開始前の入念な確認ですね!特に複数名が被写体の場合って誰か一人がボタンをとめ忘れてたりとか、靴紐が解けてたりとか、ボツになる確率が高まりますので、効率よく質の高い仕事をする為にも事前確認と見直しは外せません。

自分たちの荷物が映り込むと言うケースは、個人の撮影以外中々ありませんが、広角レンズを使う場合は案外置く場所が甘かったって事がありますので要注意です^^;




まとめ

一眼動画撮影でやりがちな失敗13選

こうやって、経験を積み重ねる事も大事ですが、上記で挙げた事ってアシスタントから叩き上げられた人などからすると絶対にあり得ない内容だと思うんですよね。
今は、10年前と違って大企業だけが映像を使って広告を出す時代ではないので、我々のように個人のビデオグラファーも参入しやすいマーケットになってます。
ただその分、業界全体の平均的な質は落ちているのだと思っています。(今は拡大中なので)
勿論、「質」というのは作品そのもののことだけに留まらず、サービス面や段取りなど全てのプロセスにおいてです。

時代が変わり、間口が広がり、一時水準が安定しない、という産業はいつの時代もあると思いますが、これは時代の流れと共に解決されていくものだと思いますので、その時確実に信頼を勝ち取れる状態である為にも、気を引き締めて一つ一つの案件をこなしていきたいものですね!

と、なぜか自分の意気込みのようになってしまいましたが、ケアレスミスを無くし、納品物だけの問題ではなく、サービス全体の質を高めていくことが大事ということでした!

ではまた^^

初心者, 撮影
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Shinpei Nakamura

ビデオグラファー / 映像クリエイター / 映像ディレクター として活動しており、建築・広告・MV などの映像制作を行なっています。
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