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動画用カメラのセンサーサイズと画素数の考え方【830万画素で4Kは撮れる?】

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動画用カメラのセンサーサイズと画素数の考え方【830万画素で4Kは撮れる?】

動画用にカメラを購入する際、フルサイズにしようかAPS-Cにしようか悩みますよね?
PanasonicのGH5sやBMPCC 4Kなんかはマイクロフォーサーズセンサーで更に小さいですから、本当に大丈夫なのか疑ってしまったりするのではないでしょうか?

どうしても大は小を兼ねるという考え方が頭から離れず、フルサイズ思考になりがちですが、おそらく皆さんも小さいセンサーを搭載しているカメラが単純にフルサイズより劣るとは考えていないかと思います。
ただ、そこに「画素数」というスペックも加わってくる為、混乱してしまうんですよね。

ということで、この記事では、動画用にカメラを選ぶ際のセンサーサイズと画素数の考え方について解説させて頂きたいと思います。

僕自身、フルサイズを使っている期間が長い為、よくシネマカメラに使われているSUPER35mm(APS-C相当)への変な抵抗感があるのは確かで、数年前ならお説教を受けていた話かもしれません。
しかし、ここ最近の動画用カメラの開発を見ていると、そうでもなくなってきている気がするのも確かです。
なのでここらで一回整理しておかないと、という気持ちでこの記事を書かせて頂きました。

同じような疑問をお持ちの方も多いと思いますので、頭をほぐす良いきっかけになればと思います。




動画用カメラのセンサーサイズと画素数の考え方

タイトルにもあるように、約830万画素あれば4Kの撮影は可能です。
「意外とそんなもんか」というのが率直な印象ですが、これはあくまでも条件付きということになります。
詳しくは後述しますが、映像の美しさは単純にセンサーサイズや画素数だけで判断することが出来ないので、その辺りの考え方を解説したいと思います。

まずは、各種センサーの大きさから見ていきましょう。



センサーの種類

動画用カメラのセンサーサイズと画素数の考え方
  • フルサイズ 36.0mm×24.0mm
    カメラメーカー各社の上位機種の多く採用されているセンサーです。
    CanonならEOS R3/R5/R6などの数字1桁台、Nikonも同じく数字一桁台、SONYも同じく数字一桁台。

  • APS-C
    ミラーレス一眼では、SONY α6400/α6500がダントツで人気ですが、NikonのZ50や、CanonのEOS Kiss M2も人気ですね。
    Blackmagic Pocket Cinema Camera 6KもAPS-Cです。
    (メーカーによりサイズが若干異なります)

  • マイクロフォーサーズ(4/3型)
    PanasonicとOlympusによる共通規格で、縦横比が 4:3というのが特徴です。
    人気のLUMIX GH5sや、他にもBlackmagic Pocket Cinema Camera 4K、DJI Mavic 3などで使われています。

  • 1.0型
    各社のコンデジなどに多く採用されているセンサーです。

  • 1/2.3型
    スマホや、DJI Osmo Pocket、GoPro(非公式)などに使われているセンサーです。


という具合に分かれており、一部の写真家ならもっと大きい中判(43.8mm×32.9mm)を使うこともあるかもしれませんが、動画を撮る上では、ひとまず上記の上から3つを抑えておけば問題ないです。

ぱっと見、やはりフルサイズだときめ細かい画を撮れそうですが、マイクロフォーサーズを搭載しているカメラで撮った映像がそれに劣らないのは、センサーの構造も影響しておりますが、次にご説明させて頂く「画素数」が大きな鍵を握ってますので、その辺りを掘り下げてみたいと思います。




画素数の基本

動画用カメラのセンサーサイズと画素数の考え方

4種類のカメラのセンサーサイズと画素数の例を挙げさせて頂きます。

まず、SONYのα7R Ⅳですが、フルサイズセンサーで、6100万画素というスペックです。
それに対してα7SⅢは同じフルサイズセンサーですが、1210万画素となりますので、一見画質が荒そうな印象があるかもしれませんが、冒頭でもお伝えしたように約830万画素あれば4Kの撮影は可能ですから、特に問題はありません。
実際には、画像処理の関係で4K撮影に必要な画素数は830万画素より多くなる事がありますので、その点で言うとα7R Ⅳは間違いなく余裕がありますが、α7SⅢもギリギリカバーできております。

しかし、なぜ同じセンサーの大きさで画素数の隔たりをここまで大きくする必要があるのか?
それは1画素(1ピクセル)あたりの受光面積を大きくする為です。

受光面積が大きいと、それだけ色の情報を鮮明に記録できる為、仕上がりの画が美しくなるのです。
光を多く取り込めるという利点は暗所での撮影にも有効で、少ない光量でもノイズの少ない撮影が可能ということになります。
また、隣り合うピクセルの間には構造上の隙間が存在しますので、画素数が多ければ多いほど、センサーの面積に対する受光面積の割合は低くなります。

動画に特化したセンサーの構造で言うとα7SⅢは相当振り切っていると言えますね。

ではα7R Ⅳはどうなのか?
センサーの大きさを最大に活かした写真のきめ細かさは言うまでもなく素晴らしいです。
動画撮影においては、センサーを全部使うわけではないですが、4K撮影の場合6K相当(約1900万画素)を凝縮して記録しますので、そのシャープさは強みとなります。
しかしその分1画素あたりの受光面積は小さいので、色情報の豊かさではα7SⅢに劣るということになります。


APS-C機でNikonのZ50を例に挙げておりますが、2088万画素というスペックで、勿論4K撮影にも対応しており、受光面積を広く確保することで画質を向上させる狙いが見て取れます。
一方まだまだ人気のα6400は鮮明さを追求したパターンとなり、露出がしっかり確保できている環境ではカリッとした描写が得意なのでお出かけには最高ですが、屋内や夕方以降の暗所撮影に特別強いわけではありません。

単純に高画素=高画質とはならないわけです。

ここでハッキリしていることは、受講面積の関係で、画素数を詰め込みすぎるとピクセル単位での記録能力が下がるというのはどのセンサーにおいても言えることと、同じ画素数なら大きいサイズのセンサーの方が画像の美しさは勝るということです。

参考記事
»ソニー『α7SIII』暗所撮影でも圧倒的にノイズが少ないミラーレス一眼




それぞれの制作物に必要な画素数+読み出し方式

それぞれの制作物に必要な画素数+読み出し方式

とにかく綺麗な映像を撮影したいのは誰もが同じですね!
最近では8Kで撮影できるカメラも出てきておりますので、ますますカメラ市場も白熱してきておりますが、実際8Kをちゃんと撮る場合、何画素必要なのかという点に関しては、漠然としていてますよね。
なので一覧にまとめてみました。

ここで間違ってはいけないのが、一般的に言われる「●Kのは○○○万画素」というのは、単純に並んでいるピクセルの数を表しただけの話で、イコール撮影に必要な画素数とは言い切れない難しさがあるので要注意です。



制作物別の画素数

  • 8K:7,680×4,320ピクセル=約3,300万画素
  • 6K:6,144×3,160ピクセル =約1,900万画素
  • 4K:3,840×2,160ピクセル=約830万画素
  • FHD:1,920×1,080ピクセル=約207万画素 (ブルーレイ)
  • HD:1,280×720ピクセル=約92万画素
  • SD:720×480ピクセル=約32万画素(DVD)

10年前まではHDはおろかSDが主流だったと考えると恐ろしいですね。
いまでもDVDで再生する為の納品データを求められることがありますが、再生プラットフォームがテレビであっても高画質に対応したメディアは選択できるので、徐々にシフトすることを推奨していきたいですね!




読み出し方式の違いによるピクセルの使用範囲

例えば4Kの撮影でも、カメラや設定によっては830万画素だけ使うとは限らないので、センサーをどの範囲まで使えるのか、これも画質の良さを求める上で重要なポイントになります。

※4K撮影においての説明となります。

  • 全画素読み出しのオーバーサンプリング
    一つ一つのピクセルを間引くことなくセンサー上の画素を贅沢に使う方式を「全画素読み出し」と言い、広い範囲のピクセルを使用して撮影し、最終的に4Kにリサイズする方式です。
    “広い範囲”というのはセンサーの全画素(全幅)を使ったオーバーサンプリングの場合もありますが、画像処理で大きな負荷がかかりますのでSuper35mmの範囲で全画素読み出しのオーバーサンプリングが多いです。
    もちろん画質は一番良いです。

  • ピクセルビニング
    隣接するピクセルを1つのピクセルとして結合して4個で1つの「スーパーピクセル」を仮想的に作ることで、解像度と引き換えにノイズの影響を軽減するプロセスです。
    全画素読み出しに比べて画像処理の負担は下がりますが、画質は劣ります。

  • ドットバイドット
    センサーの4K分のエリアだけを使い撮影する方式なので、オーバーサンプリングと違って解像感やノイズへの耐性は劣ります。
    また、4K分のエリアだけということで、センサーのサイズが小さくなると画角が狭くなるのと同じ原理でクロップされますので、あまり喜ばれない傾向にあります。
    ただしカメラへの負担は少なくすみます。

画像処理エンジンの進化に伴い、全画素読み出しのハードルが下がりつつあるのは確かですが、まだまだオーバーヒート問題が付き纏いますので、自身の撮影内容に合わせて、実用的な範囲内でカメラを選びたいところですね!!




まとめ

まとめ

センサーサイズと画素数の関係、そして読み出し方式の違いによるピクセルの使用範囲をご説明させて頂きました。
動画は拡大して視聴するものではないので、そこまで膨大な画素数は必要ない為、ピクセルの大きさが出来るだけ大きく確保されているものを選ぶというのは自然な流れとなります。

そして、これも写真的な考え方とは一線を置いて考慮したいのが「読み出し方式の違い」です。
数年前までは、クロップなしで全画素読み出しのオーバーサンプリング4Kなど、技術的に不可能でしたが、それもわずかな期間で実現しており、映画業界で長らく親しまれてきたSuper35mm(APS-C相当)に関しても、「この画角が映画っぽい」とか「動画はこれぐらいの柔らかさが良い」「制作フローにおける処理スピードのバランスが一番良い」など言われてきましたが、技術の進歩により新しいシネマカメラのモデルにはフルサイズセンサーが搭載される傾向があり、それらの意見は共感こそ出来るものの、やはり過去のものとなりつつあります。

1画素(ピクセル)の大きさ確保したまま、余裕を持った画素数を備えているセンサーが求められる理由として、高性能な手ぶれ補正が装備されたことや、積極的にトリミングを行う編集、クロマキー処理の精度を上げる為(これは大きい)などが考えられますが、日々動画の作り方が進化しているからであって、この流れは変わることはありません。

しばらくの間は、全画素読み出しのオーバーサンプリング4K撮影で、いかに負荷を減らせるかというのが製品開発のポイントで、処理能力の限界を考えて6K分(約1900万画素)前後のフルサイズセンサーが動画用としてはベターなチョイスとなりそうですね!

動画におけるセンサーと画素数について、少しでも理解が深まれば幸いです!

ではまた^^

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Shinpei Nakamura

ビデオグラファー / 映像クリエイター / 映像ディレクター として活動しており、建築・広告・MV などの映像制作を行なっています。
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