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動画撮影向けのビデオ三脚と雲台【失敗しない選び方】

投稿日:2020-11-24 更新日:

ビデオ三脚

動画撮影用に三脚欲しいんですが、どれがお勧めですかー?

店員さん
店員さん

雲台とセットの方が良いと思いますけど、クイックシューはどこの使ってますか?

特に決まってなくて、とりあえずオールマイティーに使えるビデオ三脚が良いかと思ってるんですよね~

店員さん
店員さん

なるほど~、でしたらこちらがカーボン製で持ち運びやすいですし、雲台は油圧式なのでスムーズで人気ですよ!

ほうほう、どれどれ~

って、10万超えるんかーい!

三脚選びって難しいですよね!

特に動画撮影用のビデオ三脚は写真用と違って求められるポイントも変わって来ますから、目的や用途がハッキリしてないと後々困ってしまう可能性があります。

だからと言ってとりあえず高級品を買っておこうなんて方は稀だと思いますし、そもそも自分が納得した上で買いたいですよね!

そこで今回は、ビデオ三脚と雲台について詳しく解説していこうと思います。

これから動画を始めようという方も、これからもっと本格的に動画をやろうという方も、ビデオ三脚/雲台の特徴やメリット/デメリットを知っていることで、自身の撮影内容に合ったチョイスが出来ると思いますので、是非この機会に整理してみてください^^




動画撮影向けのビデオ三脚と雲台

ビデオ三脚

「なぜビデオと写真用で違いがあるのか?」

「どこがどう違うのか?」

「自分にはどっちが必要なのか?」

この辺りの疑問をクリアにする為にも、三脚と雲台を分けてそれぞれの違いや選択基準を見ていきたいと思います!

ちなみに1つ目の疑問「なぜビデオ用と写真用で違いがあるのか?」に関しては、当たり前の回答になるかもしれませんが、写真が一瞬の記録なのに対して、動画は連続記録なので、意図しない揺れや、ガタつきがあってはならず、更に記録中もカメラを動かすことを想定している為、頑丈かつスムーズである事が求められているからです。

「そんなに一箇所でずっと撮影はしないと思うけど?」というご意見もあるかと思いますが、連続記録=長時間という話ではなく、たった数秒という事でもやはり求められる要素は変わりません。

詳しくは順番に解説させていただきますね!

では早速いきましょう!




ビデオ三脚

三脚

まずは三脚からです。

  • カーボンかアルミか
  • ダブルシャンクかシングルシャンクか
  • 最大搭載重量

カーボンかアルミか

カーボン製のメリットとしては、軽いのでとにかく持ち運びが楽というのに尽きます!プラス頑丈ですし、振動の収まりが早いというのも特徴です!
その代わり値段は高いですね。。。

では、金額的な問題がなければカーボンが絶対に良いのかと言うと、そういうわけではありません。

動画撮影において重要なのは安定している事です。
実は「重心」という大事なポイントがありまして、カメラが重ければ重いほど重心は上に行きますので、それに伴って転倒の危険性が増します。

しかしアルミ製の場合は、ある程度の重量がありますからカーボンよりは重心を下の方に保つ事ができます。

価格が手頃という理由もありますが、アルミ製の安心感がカーボンの機動力を上回るケースも多々あり、特に屋外の不安定な環境での撮影ならアルミ製に軍配が上がることもあります。

もちろん転倒の心配だけでは無く、静止したショットを撮りたいのに風が吹く度に揺れるんじゃ困りますし、パンやチルトを行なった際に三脚本体まで動いてしまうようでは余計な手間が増えますよね。

ポイントは、「重心」です。
上が軽いのならカーボンでも問題ないので、MAXでどれだけのものを乗せるのかを想定しておくと良いですね!

決してカーボンが劣るという話ではなく、三脚選びは軽さばかりを追いかけると危険と言う意味です。



ダブルシャンクかシングルシャンクか

初めて耳にする言葉かもしれませんが、ダブルシャンクとは、1脚ごとに2本のパイプが使用されている三脚のことで、シングルシャンクはよく見る3本足の三脚のことです。

ビデオ三脚にはダブルシャンクが採用されている事が多いのですが、その理由は積載重量に関係します。

雲台に載せるものが重くなればなるほど、パンを行なった際に回転方向に向かって負荷がかかり僅かな捻れが発生します。
カメラを元の位置に戻した際もその反動(バックラッシュ)が起きる為、2本のパイプ構造を採用する事でそれを防いでいるわけですね。

なんとなく頑丈そうなイメージだったと思いますが、実はそういう理由があるのです。

ただし、そこまでの重さの物を載せることなんて中々無いですから、シングルシャンクでも十分なケースは多いです。
ビデオ三脚でシングルシャンクの場合、そもそも一本の脚が太くて頑丈ですから。



最大搭載重量

ビデオ用三脚の最大搭載重量は余裕を持って選びたいところです。

カメラ以外のアクセサリも加わる可能性は想像がつきやすいかもしれませんが、スライダーやミニジブ(クレーン)、ジンバルを乗せることも想定される場合、6~8Kgはみておきたいところですね。




ビデオ雲台

マンフロット 雲台

次は雲台についてです。

  • 水平出し
  • 油圧式かどうか(オイルフリュード機構)
  • クイックシュー


水平出し

ビデオ雲台の特徴として三脚との接点が半球状(ハーフボールと言う)になっており、雲台下部のボルトを緩めて水平の調整が出来ますが、写真用のセンターポール雲台は3本の脚ごとに長さを調整する必要があるので、水平出しに時間が掛かります。

ただでさえ重たいものを載せてる状態で、半分浮かせたり傾けたりとか頻繁にやってたら危なくて仕方ありません。

最近ではザハトラーのFlowtechシリーズの様に足の長さの調節が画期的なモデルも出ておりますが、それでも雲台にハーフボールを採用していることを考えると、いかに効率的かという事が伺えますね。

僕も実際にハーフボールのタイプを使っていますが、本当に楽ですからこれ以外は考えられないです。

ちなみに僕が使っている三脚と雲台のセットはこちらです
Manfrotto 546BK-1 + MVH502A

これに関しても積載するものがカメラとちょっとしたアクセサリぐらいというのであればビデオ雲台である必要はなく、写真用の三脚でも問題ないケースも多々あります。

ただしその場合、”パンやチルトをしないのであれば”という条件付きになります。



油圧式かどうか(オイルフリュード機構)

パンとチルトに大きく影響する「油圧式」について説明いたします。

回転接合部に特殊なグリスが封入されおり、その圧力を調節することで最適な力加減で安定した動作を行えます。

パンやチルトといった動作は基本的に一定の速度保っている必要があり、動き出しと停止時も自然である事が求められますので、動画で使うなら油圧式一択だと思っています。

更に付け加えるなら、ビデオ雲台にはハンドル(棒)が付いており、操作性で考えてもそこは外せないポイントです。

撮影する内容が「作品」として表現に重きを置いたものなら、あまりパンやチルトを使うことは無いと思いますが、記録映像というカテゴリーであれば間違いなく必要になる機能です。



クイックシュー

主にカメラと機材の脱着をスムーズに行う目的で使用されるシステムを「クイックリリースシステム」といいますが、カメラ側に取り付けるプレートをクイックリリースプレートと呼び、機材側をクイックシューと呼び、メーカーや規格ごとに〇〇マウントと表現したりします。

これは非常に便利な仕組みであると同時に、機材選びの際に必ず付きまとう問題でもあります。

そもそも脱着をスムーズに行う為の仕組みなのに、持ってる機材のマウントがバラバラなら、カメラを違う機材に乗せ替える度にプレートを交換しなくてはなりません。

僕自身も初めの頃は非常に頭を悩ませたあげく、三脚がManfrottoで501PLという規格のプレートだった為、規格が合わない他の機材にはManfrotto クイックリリースアダプター577を取り付けることで解決しました。

ここでポイントになるのが、雲台のマウントに合わせて統一する可能性が高いということです。

何かを基準にしなければならないわけですから、やはり全ての土台となるメインの三脚に載せてる雲台の規格に合わせるのがベターです。

ただ、先に買っているジンバルのマウントを基準にするということもあり得るでしょうし、こればかりは手持ちの機材と相談という話になりますね。


ビデオ三脚と雲台の特徴についてでした。

「なぜビデオと写真用で違いがあるのか?」
「どこがどう違うのか?」
「自分にはどっちが必要なのか?」

上記の疑問を少しでも解消して貰えたなら嬉しいです^^




ビデオ三脚が活躍する場面

ビデオ三脚

ビデオ三脚/雲台の特徴がわかったところで、次はどういったシーンで活躍する機材なのかをまとめてみたいと思います。



①被写体をスムーズに追いかける撮影

一箇所にどっしりと構えてスムーズな操作で被写体を追う撮影には最適です。

例えば以下のジャンルです。

  • ブライダル(動き回らない担当)
  • コンサート/イベント
  • 野鳥/動物の映像
  • 公演/舞台

これらは被写体まで一定以上の距離があることをイメージできますよね。
レンズは望遠が多いかもしれませんね!

ジンバルがいくらスムーズだからと言っても2時間ベストパフォーマンスを出し続けるのって難しいですし、こういった撮影ではビデオ三脚が活躍しますね。

もちろんチームで撮影する場合全員が三脚というわけでは無いでしょうから、1人はこういうポジションが必要になるという話です。



②他の機材との組み合わせ

三脚の最大搭載重量の項でも触れましたが、ビデオ三脚はあらゆる機材のプラットフォームとしての役割も担っています。

例えば以下の機材です。

  • スライダー
  • ジブ(クレーン)
  • ジンバル

これらを積載することで、重心が上に行くのは当然ですが、左右前後にも重心が変化し続けますので、安定したビデオ三脚が必須となります。
表現の幅を広げる上で悩ましいところですね!

他にも色んなパターンがあると思いますが
僕は個人的にスライダーを好んで使うので、やはりビデオ三脚無しでは考えにくいです。

ジブは最近使ってませんが、いずれもジンバルには出せない良さがあるので、それを下からしっかり支えてくれている三脚には感謝感謝です!




まとめ

選択肢イメージ

ビデオ三脚/雲台は積載重量を見込んで対策が施されており、動画という連続記録に支障が出ない設計になっているので、写真用の三脚/雲台とは別物であるということ。

そしてどんな撮影をメインで行うのかによってフルで恩恵を受けられるかが変わってくるという点が挙げられます。

右も左もジンバルだらけの時代ですが、安定した映像を当たり前のように撮れる環境は重要ですのでなかなか侮れないわけです。

自分にとって必要かどうか長い目でみて判断するのは難しいですが、例えば「Vlogを頑張りたい!!」という方がビデオ三脚を買う必要があるかといえば、当然「No」です。

自分が撮影する内容に合わせて上手に選んでみてください!!

ではまた!

機材
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Indieemotion(インディーモーション)管理人
Shinpei Nakamura

ビデオグラファー / 映像クリエイター / 映像ディレクター として活動しており、建築・広告・MV などの映像制作を行なっています。
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