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コスパ最強!タムロン17-28mm F2.8 実際の使用感をレビュー

投稿日:2022-02-24 更新日:

【ソニーEマウント】タムロン17-28mm F2.8レビュー|コスパ最強!

TAMRONがSONYのEマウント用に発売した広角ズームレンズ「TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD」(2019年発売)。

超広角レンズなのに10万円を切る驚きの安さで、それでいて評判も良いので、初めて広角を買おうと思われている方や、SONYのカメラに買い替えられたばかりの方であれば、必ず候補に上がってくるレンズではないでしょうか?

僕はこのレンズを1年以上使ってきましたが、自信を持ってお勧めできる魅力的なレンズです。
もちろん良いところばかりではありませんが、総合的に見て素晴らしいレンズなので、その魅力と特徴について、実際の使用感も交えてお話しさせて頂きます。

動画でも使いやすいレンズなので、今後Vlogや風景の撮影を考えられている方にとっては良い判断材料になるかと思います^^




タムロン17-28mm F2.8 実際の使用感をレビュー

【ソニーEマウント】タムロン17-28mm F2.8レビュー|コスパ最強!

正式名称は、TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD(A046)、発売は2019年7月。
SONY製のEマウントミラーレス一眼カメラに対応する広角ズームレンズです。


まずはサクッと仕様をご紹介します。

サイズ長さ:9.9cm / 最大径:7.3cm
重量420g
フィルター径67mm
焦点距離17-28mm
開放F値F2.8 通し
最短撮影距離19cm
価格¥98,100 Amazon 最安*2022年2月

記事の後半で他のレンズとの比較も行いますが、同じF2.8通しならFE 16-35mm F2.8 GMがありますが、こちらは20万円を超える代物ですので簡単には手を出せないですが、17-28mmでその半額以下なら有り!ってなりますよね〜

では以下の3つの視点から詳しく解説いたします!

  • 買いなポイント
  • イマイチなところ
  • 意外と気にならない問題




買いなポイント

買いなポイント

買って良かった!と心から思えるポイントです。


1. フィルター径が67mm

これ意外と大事なんです。
Eマウント対応のレンズは、フィルター径が67mmのものが多いので、NDフィルターやPLフィルターを使い回し出来るんです。
ステップアップリングなどでフィルター径を調整して使い回すという方法もありますが、その必要が無いに越したことはありません。

2. インナーズームが有難い

通常のズームレンズは焦点距離を変えると、レンズが伸び縮みするので、動画撮影でジンバルを使う場合は、バランスを調整し直す手間がかかります。
その点インナーズームは、レンズそのものの長さが変わらないので、多少重心は変わりますが誤差の範囲なので、再調整が要りません。
(ある程度モーターパワーの強いジンバルなら問題無し)

3. 軽いは正義

420gって500mlのペットボトル以下ですから、相当軽いです。
サイズ、重量共に実現したこの抜群の携帯性は、間違いなく撮影意欲を向上させてくれます。
僕がCanonで使っているEF16-35mm F2.8 L Ⅱは640gなので、正直驚きました。

4. 被写体に寄れる

17mm(WIDE)側の最短撮影距離が19cmで、28mm(TELE)側は26cmです。
どちらにしてもかなり被写体に近づけるため、ダイナミックな表現が可能です!
広角と言えばボケよりもパース感という印象が強いですが、ここまで寄れると背景をしっかりボカして柔らかい表現も可能です。

5. シャープな表現力

17mm(WIDE)側も、28mm(TELE)側も中心はF2.8開放で申し分ないシャープさです。
周辺に関してもF4.0以上は中心と変わらないシャープさです。
写真と動画では周辺の扱いがやや異なりますが、僕の場合はどちらも気にならないです。
むしろもう少しにじんでるくらいが好みだったりしますが、ピシッとした絵が好きな方には向いてます。

6. フォーカス音鳴ってる?

AFのフォーカス音はほぼ聞こえません。
耳を押し当ててみてもわからないレベルです。


7. サンプル 画角の違いはこんな感じです

サンプル 画角の違いはこんな感じです
サンプル 画角の違いはこんな感じです
サンプル 画角の違いはこんな感じです
サンプル 画角の違いはこんな感じです

勿論同じ位置からの撮影で、歪み補正もトリミングも行っていません。
個人的には24mmが好きですね!





イマイチなところ

広角レンズ全般に対して当てはまることですが、このレンズで顕著に感じた事を挙げていきます。


1. ケラレが気になる

「ケラレ」とはレンズフードやレンズフィルターの縁が四隅に映り込む事を言います。
大抵広角レンズに起きる問題なのですが、僕の場合レンズプロテクターとNDフィルターを重ね付けする事が多いので、このケラレ問題は起こるべくして起きているのです。
勿論レンズプロテクター1枚ぐらいなら、よほど厚くない限りは心配入りません。
ただ、NDフィルターを付ける必要がある場合にわざわざレンズプロテクターを外すのは面倒だったりします。

そうやって重ね付けして撮影した写真がこちらです。

ケラレが気になる
ケラレが気になる
ケラレが気になる

17mm(WIDE)側だとバッチリ写り込んでいて、22.23mmあたりから消えてくれます。
重ねているフィルターの厚さにもよりますが、僕が使用したのは下記の2枚です。
上記でもお伝えした通り、プロテクター(KenkoのPRO1D)だけならケラレは出ません。


ただし、

動画の場合はアスペクト比が16:9になるので、四隅は映らないんですよ。

厳密には16:9になっても、17mmの時にはうっすら影が入りますが、編集でビネット効果を追加したぐらいのソフトさなので、そこまで気にはならないかもしれません。
また、画面の上下にレターボックス(黒い帯)を入れたり、2.35:1 (シネマスコープ)で編集する場合は、そのうっすらした影すらも隠れるので、僕の場合そこまで困った経験は無いです。
写真の場合は大抵トリミングありきで撮ってますので、そちらも困りはしないかなと思います。

一応、こういった問題は起こりうるということは知っておいた方が良いという事です。



2. 周辺光量が落ちる

上記でお話しした「ケラレ」では無く、レンズフィルターを付けてなくても起きる「ビネット」という問題があります。
これもレンズ全般において言える事ですが、画面の縁の光量が落ち、ぼんやり暗くなる現象です。

周辺光量が落ちる

上の写真は17mm F2.8で撮影したものです。
17mm(WIDE)側もの場合、F2.8〜F4.0付近まではビネットが有りますが、F5.6からは気になりません。
28mm(TELE)側だと目で見てわかるビネットはありません。

大抵のレンズが大なり小なりこの問題を抱えている事を考えれば、許容範囲かとは思いますが、F4.0以下で17-20mmぐらいを使用する事もあるので、その時は「ちょっときついな〜」って思うことは正直あります。



3. レンズの歪み

広角のズームレンズに付き物の歪みですが、このレンズも勿論歪みます。
このGIFは17mmで撮影した際の写真に対してLightroomのレンズ補正をON/OFFさせたものです。

レンズの歪み

28mm側でも多少は歪みますが、まだ全然マシです。
レンズの口経の大きなレンズの方が歪みは少ないので、コンパクトで軽いこのレンズの場合、中央付近まで歪みが見られるのは必然となります。
トレードオフって事ですね。

ちなみに大口径のレンズでも周辺はやっぱり歪みますが、中央付近は割と広い範囲で歪みの少なさを実現できます。
また、ズームレンズは多くのレンズで構成されている為、歪みやすいのですが、その点単焦点なら広角でも歪みは少なく済みます。




意外と気にならない問題

意外と気にならない問題

よくピックアップされる欠点について、実際のところ「そんなに気にならないけど?」というポイントです。


1. フォーカスブリージング

フォーカスリングを動かした際に画角が変わる事を「フォーカスブリージング」と言いますが、写真で使う場合は元々気にならないはずです。
問題は動画撮影事ですが、気になった事はありません。
カメラを固定した状態で、動く人や物や撮っている場合は、AFでもMFでもフォーカスを合わせる際に多少気になると思いますが、それ以外のシチュエーションでは気付かないレベルです。
なので、固定で撮る事が少ない方は気にしなくて良いと思います。



2. AF/MF切り替えスイッチ

レンズ本体にはAF/MFの切り替えスイッチが付いておりません。
写真メインの方の場合、左手の親指で操作できるボタンが有ると便利というのはわかりますが、スイッチが付いてないレンズって結構ありますし、僕はあまり気にした事が無いです。
特に動画メインの方は、左手が常にレンズを握っているということも無いでしょうから、そういう感覚の違いは有るかもしれないですね!



3. 画角は17-28mmでも納得できる

17-28mmと聞いて「何でそんなに中途半端なんだよ…」という気持ちは確かに有りました。
やはり、16-35mmを基準にしてしまうのですが、WIDE側は1mmの違いなのでまだ良しとして、TELE側はどうなんだという話。
正直35mmは欲しかったですが、28mmの程よい広角感というのも使っていると慣れてくるもので、「標準に近付けたい」という意識をOFFにすることで、大胆に遊べる感覚があります。





ライバルの広角レンズと比較

ライバルの広角レンズと比較

比較対象となりがちな2本のレンズの概要を見ていきたいと思います。

  • SONYFE 16-35mm F2.8 GM 
  • Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4



比較1: SONY FE 16-35mm F2.8 GM 

比較1: SONYFE 16-35mm F2.8 GM
出典:SONY Eマウントレンズ 商品一
サイズ長さ:12.16cm / 最大径:88.5cm
重量680g
フィルター径82mm
焦点距離16-35mm
開放F値F2.8 通し
最短撮影距離28cm
価格¥242,500 Amazon 最安*2022年2月

2017年に発売した、ソニーEマウント用レンズ最上級G-MASTER(GM)の広角ズームレンズです。
大口径ゆえに得られる安定した描写力は圧巻ですが、その分値は張ります。
重量も結構あるので、気軽に持って行ける部類ではないですね。
広角ズームレンズの課題である周辺の解像感や、歪みなど、それらを限界まで追い込んだレンズであることは間違い無いです。



比較2:Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4

比較2:Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4
出典:SONY Eマウントレンズ 商品一覧
サイズ長さ:9.85cm / 最大径:78cm
重量518g
フィルター径72mm
焦点距離16-35mm
開放F値F4.0 通し
最短撮影距離28cm
価格¥141,000 Amazon 最安*2022年2月

2014年に発売した、カールツァイスが手掛けたソニーEマウント用広角ズームレンズです。
ソニーのミラーレス一眼を使っているからには、ツァイスのレンズは必ず手に入れたいところですよね!
少し古いですが、ツァイス特有の青の強さと解像感が売りのロングセラーレンズです。
F4.0だとちょっと暗いし、ボケもあまり期待できないかな…と思う気持ちは有りますが、何を撮るか次第ですね。



こうやって見るとTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDのポジショニングの絶妙さがよくわかりますね!




まとめ

TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD

TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDの良いところや、イマイチな点など、実際に使って感じた事をお話しさせて頂きました。
広角ズームレンズというのは、そもそも高価な物なので、中々踏ん切りが付きにくい買い物ですが、このレンズのコスパはかなり良いので、「めちゃくちゃ広角が欲しいわけでは無いけど、一応その辺りの画角もカバーしておきたいかな〜」という方にはちょうど良い選択かもしれません。

参考になれば幸いです^^

それではまた!


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Shinpei Nakamura

ビデオグラファー / 映像クリエイター / 映像ディレクター として活動しており、建築・広告・MV などの映像制作を行なっています。
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