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カメラスライダーをオススメする理由【導入する上で知っておきたい事10選】

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カメラスライダーをオススメする理由【導入する上で知っておきたい事10選】

世はまさにジンバル戦国時代に突入しておりますが、そんな中、スムーズなドリーショットに魅せられて、カメラスライダーを買おうかどうしようか考えた事のある方に向けて一言。

「絶対に買った方が良いです!」

シネマティックな映像制作には必需品です!
そして 僕自身がスライダーを愛してやまない人なので、世界中のビデオグラファーに全力でおすすめしたいのです!

しかしまぁ個人的なスライダー愛を延々と語っても仕方ないので、この記事では実際スライダーを導入するにあたって知っておきたい事柄を、ヘビーユーザー目線で詳しくお伝え出来ればと思います。

例えば

  • どんなことに気を付けなければならないのか?
  • なぜ導入する価値があるのか?
  • スライダーが力を発揮する場面は?

こんな疑問にお答えします。

当然スライダーならなんでも良いわけではないので、その辺りの選択基準にもしっかりと触れ、みなさんが実際にスライダーを手にした時に、最高だぜヒャッハーになれるよう全力を尽くしたいと思います。




カメラスライダーをオススメする理由

カメラスライダーをオススメする理由

僕はかれこれ7年間スライダーを使っていますが、ジンバルがこれだけ普及した今でも頻繁に使う機材の1つです。

そのストロングポイントを整理してみます。



ジンバルでは表現できない画作り

この時代に、スライダーが有効なのか?

結論→有効です

実際ジンバルで並行移動してスライダーっぽく見せる撮影手法などがありますが、残念ながら本物には及びません。

やはり人の手で正確な軌道を描くには限界がありますので、それは撮れた素材を見れば一目瞭然です。

スライダーの良さは安定した軌道から生まれる「圧倒的な安心感」で、作品を見る人は、そのことに対して無自覚ですが、それゆえに作品に集中できるものなのです。
何と言ってもジワーッとミリ単位で動くリッチな映像は、ジンバルのスムーズさとは全く別物です。

また、近年では4Kで撮影した素材をフルHDとして書き出す場合に、トリミングした素材を横移動させる擬似的なスライダー効果なども見かけますが、これは前景も背景も一緒に動くことになるので嘘臭さが出てしまいます。




スライダーが力を発揮する場面

スライダーの恩恵は、滑らかな映像を撮影出来ることだけでなく、それ以上に映像の立体感を引き出すところにあります。

横にスライドさせると、背景側はゆっくり動き、前景側は早く動きますので(実際はカメラが動いてますが)そのレイヤー感が作品に奥行きを与えます。

例えば草むらのローアングルや、ごちゃごちゃと物が多い場所では効果が解りやすいです。
逆に白ホリ(真っ白なスタジオ)などで、被写体だけを撮影する場合は、スライダーを使っている意味が殆ど無くて、それが前後の動きだった場合などは被写体がジワジワ巨大化したり縮んだりして見えるので気持ち悪いだけです。

あと、基本的には被写体にフォーカスを合わせた状態でマニュアルフォーカスで固定するので、安定した前ボケを綺麗に取り込めます。
これも軌道が安定しているからこそ得られるメリットですね!

とにかく作品の質感がグッと上がります。




導入する上で知っておきたいこと10選

【導入する上で知っておきたい事10選】

スライダーを使う利点は前項で挙げましたが、実際導入する上で知っておかなければならないことが色々あります。

機材を買った後、予想以上に苦労することってよくありますので、そういった事が無いよう、大事なポイントを10項目挙げます。




1.積載量の落とし穴

カメラとレンズの重さプラス雲台の重さも計算に入れる必要があります。
最大積載量を超えるとベアリングのスムーズさに影響しますし、故障の原因にもなりますので注意が必要です。


2.安物には注意

最近は1万円前後で買えるスライダーがちらほらありますが、あまりお勧めできません。

理由は、一番大切な安定感に欠けるからです。

例えばベアリングがお粗末でカタカタ揺れるとか、シャフトがしなる、捻れる、などの問題が考えられます。

極端な例になりますが、Neewerの40cmスライダー(¥3,999)を旅行用に購入したことがありますが、流石に一眼レフの重さには耐えられず、ガタつきが酷く、すぐに処分しました。


3.シャフトの種類

軽いカーボン製と、頑丈なスチール製があります。
カーボン製のスライダーを選ぶ場合はプロ仕様のしっかりした構造のものを選ぶと良いです。

大体がカーボンのパイプ2本を並べたシンプルな構造ですので、安物だとレンズの重さで僅かに捩れる(お辞儀してしまう)ことがあるからです。

一方スチール製は比較的値段が張りますが、絶対に曲がらない安心感がありますし、ベアリングとシャフトの噛み合わせも金属同士ならではのフィット感があります。


4.持ち運び

長くなればなる程嵩張りますし、スチール製なら重さもあります。

ですが、これはもう仕方ないので受け入れるしかありませんし、どうせ撮影時は三脚とかライトスタンドとか長モノを沢山運ぶので、スライダーだけコンパクトである必要は無いと考えています。

コンパクトに設計されているモデルもありますが、そういったものは大抵シャフトという構造を無くしていますので、実質の稼働範囲が狭いです。


5.三脚の重要性

出来れば頑丈なビデオ用三脚が良いです。
スライダーは水平を出して使う事が大半ですので、あらゆる環境でどっしりと地面を捉えてくれるものが必要です。

この水平出しというのが、スライダーの設置で一番重要なポイントになりますので、支えとなる三脚の良し悪しはかなり重要です。
また、重心が上に集まり転倒のリスクが増すので、少し重めのビデオ用三脚をお勧めします。

三脚のチョイスに関してはこちらの記事をご覧下さい。

»動画撮影向けのビデオ三脚と雲台【失敗しない選び方】

それともう一点

雲台側でチルトをしっかりロックしていても、スライダーの端までカメラを動かした場合に水平のバランスが崩れる事がありますので、三脚が2つ必要になる事もあります。
大半のメーカーがその事を認識しておりますので、スライダーの両サイドに大小のネジ穴が切ってあります。

要は「カクンッ」と動かなければ良いので、僕は安い一脚でサポートしています。


6.雲台の選び方

雲台は2つ使用することになります。
1つはスライダーを乗せる側に当たる雲台で、もう一つはカメラを乗せる為の雲台です。

1つ目の雲台は三脚と一体になっているかもしれませんが、もし可能なら三脚との結合部がハーフボールになっているタイプをお勧めします。
理由は水平を出しやすいからです。

もう一つはスライダーの上を滑らす雲台ですが、僕はマンフロットの小型ボール雲台Manfrotto 496RC2をよく使っており、クイックシューをManfrottoの501PLに統一している為、クイックリリースアダプター577をその上に取り付けて使用しています。

基本的には固定して撮るので、表現の自由度が高いボール雲台は一つ持っておきたいところです。



7.準備に時間がかかる

おそらくジンバルよりもセッティングに時間がかかります。
たった15秒程の撮影だったとしても同じ準備が必要で、僕の場合は毎回こんな感じでやってす。

  1. 三脚にスライダーをドッキング
  2. レンズを決めて撮影ポイントに移動
  3. 高さの調整
  4. 水平出し
  5. パンで被写体との平行の調整
  6. サポート用の三脚か一脚で両端を固定
  7. カメラを用の雲台で水平出し
  8. 撮影

もし撮影内容に満足出来なかった場合は、位置を変えたりするのですが、屋外だと地面が平らとは限りませんので、高さ調整や水平出しからやり直しです。。。
慣れれば手際よく出来るものの、それでもスケジュールがタイトな現場では、常に心に迫り寄る『妥協』との戦いは避けられません。


8.電動タイプを選ぶべきか?

一番に考えるべきポイントは、電動で表現できる内容よりも、現場向きかどうか?というところだと思います。

ただでさえセッティングに時間がかかるのに、更に調整が必要な機材がオンされて、果たしてそれだけゆっくり時間をかけられる現場がどれぐらいあるのか?

人によってはパターン化させた撮影で綺麗にハマるかもしれませんが、電動による恩恵と撮影内容や所要時間を天秤にかけた場合、それほどまでに必要なアイテムなのかは、しっかり吟味することをお勧めします。

Rhino Arc IIのスライダーセットなどは高いだけあって魅力的なのは確かですが、価格が20万円ほどしますので、とりあえず3万円~5万円の商品で自分との相性を確かめるというのが良いかと思います。



9.プッシュイン&プルアウト

スライダーを縦に使う場合、下部にスライダーが写り込んでしまいます。
スライダーからレンズまでの高さにもよりますが、特に広角レンズを使う場合はプルアウト(後ろに引く)できる範囲が相当限定されます。

ZEAPON Micro 2は構造的にそのあたりの問題を解決をしたモデルとなりますが、これはこれで可動域と安定感を失いますので、結局難しい問題です。

ただ、映画撮影でレールを敷いてドリーショットを撮る場合にも同じ事が言えますので、レールそのものは消せないものと考えて、レンズを変えたりするなどの工夫が一般的な対処なのだと思います。
(あとは編集時にクロップで隠したり…)


10.シャフトのメンテナンスが大事

スライダーの心臓部となるシャフトとベアリングは常にむき出しになっていますので、傷つかないよう注意が必要です。

信じられないかもしれませんが、ほんの僅かな傷でもガタつきの原因になります。
特に屋外の撮影では砂埃を噛んでしまってシャフトに小さな傷が入る事も大いに考えられますので、使用前と使用後は必ずクロスで汚れを拭き取るなどのメンテナンスが重要です。




愛用しているKONOVA K3 100の感想

参考:Fenchel & Janisch:Konova K5 – Camera Slider Review

僕は2014年に購入したKONOVA K3 100cmをいまだに愛用しています!

周りのビデオグラファーを見渡しても、こんなにスライダーショットを好んでいるのは僕ぐらいだと思います笑

KONOVAは韓国のメーカーで、当時は世界中のビデオグラファーが好んで使っていた機材です。(今でも使っている人は多いはず!)
とにかく頑丈で安定感が抜群なのはもちろん、それ以外にもベアリングの圧を調整できるのもポイントです。

シャフトはスチール製で、専用のオイルシールがついておりますので、滑りが悪い時などは手を汚さずにその場でシャシャっとオイルをなじませる事でよりスムーズなります。
オイルはシャフトの保護にもなりますし、必需品です。

ちなみに専用オイルシールは2つ付属していたのに、速攻で2つとも無くしてしまい、同じものを取り寄せると¥3,000ぐらいしました…でもそこから7年間オイルの追加も無しでそのまま使えてます^^

あと、ネジ穴が色んなところに空いてるのも良いですね!
(垂直にも設置できますが、流石にやった事ない)

良いものは多少高くても長く使えるという事を教えてくてる一品です!

※僕が使用しているのは100cmのモデルです。




まとめ

カメラスライダーをオススメする理由【導入する上で知っておきたい事10選】

スライダーはジンバルが不得意とする精密なショットに強く、ディティールのトラッキングショットに向いており、広範囲を滑らかに映すことには向いていませんが、狭い空間にはめっぽう向いています。

設置を含めて、取り扱いの難点は沢山ありますが、その分リッチなショットを手にする事が出来るので、手間をかける価値は十分にあります。

美味しい画が撮れる条件さえ掴めば、強力な武器になる事は間違いありませんので、興味のある方は是非導入を検討してみてください!
撮影が楽しくなりますよ!

最後に、製品別の比較なども載せたかったのですが、僕自身が実際に感触を確かめてない製品はレビューできないので、一覧をご覧になりたい方は、申し訳ありませんが他の方の記事をご参照下さい!

それでは良い映像ライフを^^

では!

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Shinpei Nakamura(ADEMOYO)

2014年から映像制作を開始。
制作案件はMVを中心にライブビデオや企業/店舗のPRビデオまで幅広く、企画から撮影/照明/音声/編集に到るまで基本ワンオペのハードモードFilmmaker。ヒーヒー言いながらやってます。
旅と屋台を愛し、2019年はストック素材撮りと称して1年弱アジアからヨーロッパを彷徨いながら撮影を敢行。超楽しかったです(^^)
このブログでは、誰でもカンタンに出来るビデオ撮影方法から、こだわり抜いた撮影/編集まで、割と広めの役立つ情報を公開していこうと思っています!