
ここ数年で、Youtubeの動画編集をはじめとする様々な映像制作の外注が盛んになってきましたね。
そして「動画編集は儲かる」というキーワードも最近よく見かけるようになりました。主婦、学生、サラリーマンなど、様々な方が副業として初めており、その中には元々映像制作の経験が無い方も沢山いらっしゃいます。
おそらく皆さんも「副業でやってみようかな」と考えた事があるのではないでしょうか?
本記事では、経験が浅い方から未経験の方まで、動画編集を副業にするための大切な準備内容を紹介していきます。誰でも手軽に始められる事は確かですが、低予算に拘るあまり思わぬ失敗をしない為にも順を追って説明していきますね!
動画編集を副業にする準備3ステップ
いきなり難しそうな案件は受けないですよね?
なので、簡単な案件からスタートする事を前提に説明していきます。
ちなみに僕は普段アーティストのMV制作を行っており、年間数十本の作品をディレクションしながら、片手間にYoutubeの編集も受けております。
なので、どういった作品にどんな環境や知識が必要なのかはしっかり把握してますので、安心して読み進めてください^^
1.どんな案件を受けるのか大体決めておく
案件といっても様々ですが、クラウドソーシングなどで募集されているYoutube動画(10分程度)が難易度も低く、初心者には狙い目です。
なぜかと言うと、上記のような案件はクリエイティビティ(創作性)が求められておらず、悪い言い方をすると「誰がやっても同じ」という作業分類に位置している為、ボンボン外注しているからです。
ですので、特に目立った特技などがなくてもこなせる上、作業内容はテロップとBGM/効果音を入れるだけなど、とても簡単なのです。
ちょっと難し目の案件だったとしても、イメージ素材(写真など)の挿入や、1時間の素材を15分にまとめるカットなど、作業内容はいたってシンプルなのです。
例えばこの動画。
作業内容は、不要な間のカット編集のみです。最後にエンディングの静止画(おそらく動画データ)が数秒入りますが、これは最後にくっつけるだけです
*外注かどうかはわかりません
次にこの動画。
カット編集が無い代わりにテロップと効果音が入っています。テロップは色んなバリエーションを使ってますが、アニメーション効果が無いので簡単な部類です。
*外注かどうかはわかりません
ここでは10分程度の簡単なYoutube動画編集案件を想定してお伝えしましたが、+αとして「1920×1080(フルHD)」までの動画編集という条件も加えておきます。
納品を4K60Pとか言われたらたまりませんからね。。
実はここのビジョン設計が非常に重要なのです。
では上記を前提に次はPCやソフトなどを含む環境のお話をします。
2.動画編集に必要な環境を整える
最近はスマホでも細かい動画編集を出来るようになってきてますが、ここではパソコンを使った環境構成を説明します。なぜかと言うと、効率が良いからです。あと、クライアントがそれを想定しているからです。
必要なもの一覧
・パソコン
・編集ソフト
・BGM/効果音
・ファイルのやりとりに使うツール
・あると便利なもの
2-1:パソコン
編集ソフトとの互換性が重要ですが、過去5年以内のPCで10万円前後のものであれば大体必須条件はクリアしているので、そこまで気にしなくて大丈夫です。
編集ソフトの必須条件は次の項で説明しますが、今回は簡単な編集をする目的でのセレクトということになりますので、新しく高性能なPCを買う必要は無いということです。
もちろんお金に余裕があるのであれば高性能なPCを用意しても構いませんが、その恩恵を受けられるのは高度なエフェクトや何層にも施されたカラーグレーディングを要する編集に限られてきますので、まずはそこそこなスペックのPCでOKということです。
ちなみに僕はメインマシンがiMacですが、元メインマシン(今はサブマシン)はMac book Proで、エフェクトやカラーをゴリゴリに使っていました。多少ガタはきてますが現在も使えております。スペックはこちらです。
・Mac book Pro(15-inch mid 2009) ←古!
・メモリ:8GB
・ハードディスク:256GB
・GPU:NVIDIAGeForce 9400M
買い替えを検討中の方はひとまず次項の「必要システム構成」をご確認ください。
2-2:編集ソフト
無料のソフトも沢山あり、出来るだけお金をかけたく無いところですが
Premiere Pro(単体プラン:¥1680/月)をお勧めします。
理由はクライアントが指定している場合が多いのと、ネット上のチュートリアルが豊富なところです。
今の所それ以外のソフトは必要ありませんが、今後腕を磨いてもっとハイレベルな動画を作りたくなった時、Premiere ProはAftereffects,Illustrator, Photoshopなど様々なソフトウェアと連携できるので便利で効率が上がります。
気になる必要システム構成ですがポイントは主に以下の4点
■Windows
最小仕様 | 推奨仕様 | |
プロセッサー(CPU) | Intel® 第 6 世代以降 CPU または同等の AMD CPU | Intel® 第 7 世代以降 CPU または同等の AMD CPU |
オペレーティングシステム(OS) | Microsoft Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 1803 以降 | Microsoft Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 1809 以降 |
RAM(メモリ) | 8 GB の RAM | • HD メディアの場合は 16 GB の RAM • 4K メディア以上の場合は 32 GB |
GPU(グラフィックカード/ボード) | 2 GB の GPU VRAM 推奨されるグラフィックカードの一覧については、Adobe Premiere Pro に推奨されるグラフィックカードを参照してください。 | 4 GB の GPU VRAM 推奨されるグラフィックカードの一覧については、Adobe Premiere Pro に推奨されるグラフィックカードを参照してください。 |
■Mac
最小仕様 | 推奨仕様 | |
プロセッサー | Intel® 第 6 世代以降 CPU | Intel® 第 6 世代以降 CPU |
オペレーティングシステム | macOS v10.13 以降 | macOS v10.13 以降 |
macOS v10.13 以降の RAM | 8 GB の RAM | • HD メディアの場合は 16 GB の RAM • 4K メディア以上の場合は 32 GB |
GPU | 2 GB の GPU VRAM | 4 GB の GPU VRAM |
詳しくはAdobe公式サイトをご覧ください。
Premiere Pro 必要システム構成
Premiere Pro – 単体プラン
ご自身のPCのスペックはどうでしたか?
確認方法がわからない方はこちらのサイトを参考にしてみて下さい。
【Windows】
・CPU(プロセッサ)&メモリの確認
・グラフィックボードの確認方法
【Mac】
左上のリンゴマーク→「このMacについて」に全部書いてあります
2-3:BGM/効果音
ネット上には様々なフリー音源がありますので、あれもこれも揃えたくなっちゃいますよね
でも最初は必要最低限でOKです。具体的にはBGM5~10パターン、効果音も10パターンぐらいあれば十分です。
最初の頃は選択肢が多いとその分迷う時間が長くなる為、あらかじめ厳選しておくことで割り切って作業を進めることが出来ます。
・BGMはYoutubeオーディオライブラリが無難!
・よく聞く効果音「ドドンッ!」などはこちらから→効果音ラボ
2-4:ファイルのやりとりに使うツール
基本的にはクライアントが指定するツールを使うことが多いので、相手に合わせて使い分けることになると思いますが、ここでは一般的によく使われるツールを紹介します。
インターネット環境は早ければ早いほどストレス無く利用できますが、データを受け取る時はポチっとDL開始して完了するまで放置ですし、送信する時は編集済みでファイルサイズも小さくなっているはずなので、そこまで気にしなくても良いです。
・Giga file便
言わずと知れた大容量のデータ送信サービス。ユーザー登録がないので便利です。
・Dropbox
無料は2GBまでですが、受けるのに制限はない。相手が有料プランを使っている可能性もあるのでアカウントを作っておいても良いかもしれません。
・Google drive
無料は15GBまでですが、受けるのに制限はない。Googleアカウント(Gmail)をお持ちの方はすぐ使えます。
2-5:あると便利なもの
必要以上に物を揃えることは無いのですが、あったら便利なものを二つ紹介します。
イヤホン
パソコンの種類によってはスピーカーが激弱だったりするので、音の大きさの感覚が掴みにくい事があります。有名なYoutuberの動画を再生した時と、自分の編集した動画をの音量を聴き比べてみてストレスが無いかチェックするのに便利です。スピーカーが信頼できる場合は必要ないでしょう。
外付けハードディスク
編集中のデータはPC本体のPremiere Proのフォルダ内で管理することになりますが、バックアップを保管しておきたいところです。
もしデータが消えてしまった時、クライアントが送ってくれたデータをDLし直せば良いのですが、DL期限が設定されている場合は再度送信依頼する事になるので、さすがに気まずいですよね。信頼を損なわないよう、お金に余裕があれば用意しておきましょう。
最近は安くなってきているので2TBぐらいの容量があれば十分かと思います。
ちなみに僕は耐久性の強い持ち運び用と自宅用と分けて使っています。
動画編集に必要な環境を紹介しました。
3.動画編集ソフトの使い方を学ぶ

ポイントは以下の6つです。
1番目と6番目は数に入れる必要もないので、実質4つのスキルを身につけるだけです。
1.プロジェクトを作成する
2.インポートする(データを取り込む)
3.タイムラインに並べる
4.使うツールは「選択ツール」「レーザーツール」「テキストツール」の3つだけ
5.文字を入力する
6.書き出す
たったこれだけです。これだけなら誰にでも出来そうな気がしませんか?
下記が4番目のツール類ですが、ドラッグ&ドロップする為の「選択ツール」、カットする為の「レーザーツール」、文字を入力する為の「テキストツール」。
これらの使い方を覚えるのと、文字(テロップ)入力のフォント選択や色を変える操作はとても簡単なので、1日使い込めばすぐ慣れると思います。

プロジェクト作成や書き出しに関しては、深掘りするとハマってしまうので、ひとまずはAdobeのチュートリアルビデオに沿って行って頂ければ問題ありません。
Premiere Proの5つの基本編集操作
書店にPremiere Pro関連の書籍が沢山ありますが、大抵は機能や基本操作の説明のみになりますので、それよりはAdobeの公式マニュアルの方が断然わかりやすいと思います。
何と言っても無料ですしね!
Adobe Premiere Pro ラーニングとサポート
【関連記事】
【初心者】知らないと損! Premiere Proのショートカット5選
何にお金をかけるかが重要

動画編集を副業にする準備3ステップを説明しました。
1.どんな案件を受けるのか大体決めておく
2.動画編集に必要な環境を整える
3.動画編集ソフトの使い方を学ぶ
重要なのはどの範囲の案件までを受注するのかをある程度明確にしておく事です。
なぜならそのラインが曖昧だと、ちょっと無理そうな案件にも手を伸ばしてしまい納期に間に合わせるために四苦八苦する事になるからです。ここに経験者がいます。
(もちろん時間的にも余裕があってドンと来いという方は、ケツに火をつけるつもりで少し難し目の案件にチャレンジしてみても良いかもしれませんね。)
そしてもう一点重要なことは、範囲を絞る事によりハードウェアにかける予算を最小限に絞れる事です。
後々記事にしようとは思いますが、低スペックのPCでも負荷をかけずに作業する方法は色々有り、これは高スペックのPCに乗り換えても付きまとう問題なので、そのあたりの仕組みを理解する為にも有意義な過程と捉えて頂くのも一つかと思います。
そして編集ソフトは有料のPremiere Proをご紹介しましたが、その理由はクライアントがPremiere Proを指定する場合が多いからだと説明しました。
そもそもソフトウェア環境を満たせていないのであれば仕事を取る事すら出来ませんので、そこは出し惜しむべきでは無いということです。
ここまでクリア出来ている方は、ソフトの操作をいくつか覚えるだけなのですぐに始められますよ!
準備が整ったところで、次はどうやって仕事を受注するかですね。
その方法に関しては別の記事でじっくり説明させて頂きます。
副業で動画編集をする方法と注意点【クラウドソーシングってどうなの?】