
2020年。「世は正にミラーレス戦国時代。」
と言うには混戦感がまだまだ足りないようで、「世は正にSONYαシリーズの独壇場」と言った方が現段階では正解かもしれません。
しかし、そこに待ったをかけるのは、お約束でもないのに遅れて本気を出し始めた真打Canon(キヤノン)。2020年7月にEOS R5、8月にEOS R6と立て続けにフルサイズミラーレス機をリリース!EOS R5は8K RAW収録が可能という化け物感。
2020年2月14日に徳望の1DX mkⅢをリリースしたところですが、さすがオリンピックイヤーともなると違いますね。
さて、巻き返し大旋風を予感させてくれるCanonですが、ミラーレス勢が主力となりつつある状況で気になるのが既存の機種の位置付けです。
以前は1D、5D、6D、7D、2桁D、Kiss、と言う順番でわかり易かったのですが、「今って結局どれがどうなの?」と言う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は現行のラインナップ+R6を比較し、順位を付けさせて頂きました。
勿論このブログの趣旨に合わせて“動画性能”の部分を切り取って、そこを中心にランキングしておりますので思いもよらない結果も出ておりますが、評価基準や総当たり戦の対戦成績も合わせて紹介致しますので、動画を撮る為の機種選びの参考になるかと思います。
CanonEOSシリーズ11機種を動画性能でランキング!

目次
- 評価基準の説明
- CanonEOSシリーズ主力11機種の紹介
- ランキング結果
- ランキング結果の補足説明
それでは早速いきます!
評価基準の説明
動画にまつわる仕様も全て挙げるとかなりの量になりますので、今回は7項目に絞って比較させて頂きたいと思います。
AF性能や操作性などは評価に含めず、あくまでも動画の質に的を絞っており、コスパも重要と考えているので価格もその項目の1つとして考えております。
以下がその7項目です。
- 価格
一番安い機種が有利になるように出来ています。接戦になった場合の決め手として十分にあり得るので項目に追加いたしました。
- センサーサイズ
フルサイズかAPS-Cかと言う事で、これに関しは比べるのはナンセンスだと言う意見もあるかと思いますが、ノイズの量やボケの量などの関係でフルサイズに軍配が上がるようにさせて頂きました。
- 動画記録サイズ&フレームレート
①最大記録サイズ/fps ②2番目の記録サイズ/fps ③3番目の記録サイズ/fps という3段階を設けまして①で決着がつかない場合に②③で判断するようにしております。 (例) Full HD 59.94p など
- 記録形式
RAW > MOV > MP4 の順でジャッジします。条件付きであってもその記録方式を選択できるなら良しとします。*All-IかIPBかも重要ですが今回はジャッジに含んでいません。
- カラーサンプリング方式
YCbCr 4:2:2 か 4:2:0かというところで判断します。条件付きであっても4:2:2が使える機種に軍配が上がるようにしております。
- フルHD時の最大フレームレート
編集環境を考慮した上での実用性という部分で、フルHDの需要はまだまだスタンダードですので、フルHD撮影時のフレームレートも重要と考えます。機種によっては意外とここが手薄だったりするのです。
- 2画面表示の可非
動画の質に的を絞ってという割には機能的な項目になりますが、ATOMOSの外部レコーダーを含め、外部モニターを利用する機会は多いと思いますので、その際にライブビューと外部モニター両方に画面表示が可能かというのは重要なポイントと考えておりますので評価の対象にさせて頂きました。
上記の項目で機種同士を競わせ、項目ごとの勝ち数を得点とし、その結果どちらの機種に軍配が上がるかというのを11機種総当たり戦で行います。
一風変わったやり方ですが、Canonがうまいこと機種ごとのパワーバランスを変えているので、意外な対戦カードが接戦になったりして、これはこれで新たな切り口として参考に出来るかと思います。
続いてメインのラインナップとなる11機種を紹介します。
CanonEOSシリーズ主力11機種の紹介
まずは一眼レフシリーズからいきます。
画像出展:Amazon.co.jp
一眼レフカメラ

EOS-1D X Mark III(2020年2月14日発売)
Canonのフラグシップ機です。mkⅢにしてようやくフラグシップ機らしい動画機能が搭載されましたが、CINEMA EOS SYSTEMとの差別化もあってのことか、まだ乗せれたんじゃないのかな?と思える面も多々あります。とはいえRAW撮影 YCbCr 4:2:2が可能になったというのは大きな前進です。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS-1D X Mark III ボディ

EOS 5D Mark IV(2016年9月8日発売)
2009年に一眼レフムービーの火付け役として脚光を浴びたEOS 5DmkⅡの後継機種。根強いファンが多い5Dシリーズですが、mkⅣの動画機能に関しては特に4Kのクロップの問題がユーザーの不満となっており、少し影が薄いかもしれません。C-Logのアップデートがあるのは嬉しい事ですね!
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D Mark IV ボディ

EOS 6D Mark II(2017年8月発売)
5D系の下位モデルとしては初めて35mmフルサイズセンサーを搭載した6Dの後継機です。映像処理エンジンにDIGIC7を搭載し、動画機能だけなら5DmkⅣを超えてしまいそうなところでしたが、残念ながら120Pの機能は与えられませんでした。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 6D Mark II ボディ

EOS 7D Mark II(2014年9月30日発売)
EOSシリーズのAPS-C機としてトップに君臨し続けていた7Dの後継機です。mkⅡリリースから6年が経とうとしておりますが、7Dシリーズはミラーレスの新機種が継承していくような話も聞きます。時代ですかね。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D Mark IIボディ

EOS 90D(2019年9月20日発売)
EOSシリーズの中で一番早くにバリアングル液晶モニタを採用したAPS-C機です。価格も手頃なことから多くのカメラファンに人気のモデルです。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 90D ボディー EOS90D

EOS Kiss X10i (2020年6月25日発売)
エントリーユーザー向け低価格モデルで、初心者にも使い易く、小型軽量化のAPS-C機です。5軸手ブレ補正の搭載で動画がよりスムーズに撮れる他、4K(24p/25p)にも対応しており、ライトユーザーモデルとは言えない性能の高さです。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X10i ボディー EOSKISSX10I
ミラーレス一眼レフカメラ
さて、続きましてミラーレス勢の紹介です!
モデルのナンバリングを見て頂ければ解ると思いますが、今から紹介する5機種には1DXmkⅢのような大将が存在しません。
あくまでも四天王だけで仕掛けて来たという事を踏まえて見て頂くと、その凄みが伝わるかと思います。

EOS R5 (2020年7月30日発売)
世界初8K/30P動画撮影と4K/60P撮影を武器に鳴り物入りで登場した次世代フルサイズミラーレスカメラ。12bit RAWの内部記録も実現しかなり注目されているが、8K RAWはあるが4K RAWは無いという…あと、公式サイトで説明されているように、温度上昇にともなう撮影時間の制限があり、その辺りはかなりネックになりそうですね。
Canon ミラーレス一眼カメラ EOS R5 ボディー EOSR5-A

EOS R6 (2020年8月下旬発売)
ポジション的にはR5の1つ下となりますが映像処理エンジンにはDIGIC Xを採用したフルサイズミラーレスカメラ。RAW撮影こそ無いものの、YCbCr4:2:2 10bitのCanon Log記録を搭載しており、オーバーサンプリング4K/60PやフルHD/120Pでも可能との事で期待が高まります。ただし温度上昇にともなう撮影時間の制限はあります。
Canon ミラーレス一眼カメラ EOS R6 ボディー EOSR6-A

EOS R (2018年10月25日発売)
キヤノンでは初となるフルサイズミラーレスカメラ。Canon Log標準搭載で、4K記録時はYCbCr 4:2:2、10bitでのHDMI出力に対応しています。(カメラ内部記録時はYCbCr 4:2:0、8bit 記録)。5DmkⅣをそのままミラーレスにしておまけを付けたような感じですが、「ここから本腰入れるよ」というCanonの意思を感じますね。
Canon ミラーレス一眼カメラ EOS R ボディー EOSR

EOS M6 Mark II(2019年9月27日発売)
クロップ無しの4K動画を撮影可能なAPS-C機です。FHD 120pのハイスピード動画の撮影も可能ですが、なぜか24p撮影が出来ないです。SONYα6400の対抗機種のようなポジションですね。
Canon ミラーレス一眼カメラ EOS M6 Mark II ボディー ブラック EOSM6MK2BK-BODY

EOS Kiss M(2018年3月23日発売)
EOS Kissシリーズ初のミラーレスカメラです。4Kに対応しておりHD撮影ではハイフレームレート(120p)撮影が可能で、記録サイズの部分だけで比べると5DmkⅣと同じです。(全てMP4にはなりますが)
キヤノン EOS Kiss M ボディ ブラック
以下がそれぞれの仕様をまとめた表になります。
青背景がミラーレスです。

ランキング結果
では気になる順位を発表したいと思います!
背景が青の機種はミラーレスです。

上記の11機種の総当たり結果が以下となります。

○=勝ち点3
△=勝ち点1
×=勝ち点0
サッカー形式で勝ち点方式を採用しました。
単なる遊び心ですが、どうですか?割と順当な結果ではないでしょうか?EOS Kiss Mが下位の混戦から一歩抜きん出ている感じには見えますが、少しぐらい波乱が起きた方が面白いので良しとしておきましょう。
上位は実際こんなものかと思います。
一眼レフ勢ではやはり1DXmkⅢが強いですが、それでもR5に一歩及ばずというところですね。ただ温度上昇の問題はカウントしておりませんので、総合的に見れば結果も変わってくるのかと思いますが、それよりも驚いたというか、ある意味予想通りでしたが5D以下の一眼レフ勢がミラーレスにボッコボコにやられてるんですよね、まぁ古いし仕方ないかというのもありますが、世代交代の時が来たって事でしょうか。
1位 EOS R5 →パワープレイ
2位 EOS-1D X Mark III→勝ち点以外は1位
3位 EOS R6
4位 EOS R
5位 EOS 5D Mark IV→順当なポジション
6位 EOS 6D Mark II
7位 EOS Kiss M→この結果は出来過ぎ
8位 EOS 7D Mark II→ もうご老体ですかね
9位 EOS Kiss X10i
10位 EOS 90D
11位 EOS M6 Mark II→24pが無いのは痛い
ランキング結果の補足説明
前述したように、各製品の抱えている問題点などは抜きにしての結果なので、R5に関しては安定感にかけるという理由でひっくり返る可能性は十分にありますね。あと今回は動画性能に絞ってジャッジしましたので、写真の話が入ってくると電子ビューファインダーの良し悪しとか色々気になる点はあります。
しかしこのランキングの趣旨は、最近のEOSシリーズの各機種の位置付けを確認するものなので、一眼レフ勢とミラーレス勢のグループ別の順位は綺麗に反映されているかと思います。
(下位同士が若干ひっくり返っておりますが)
冒頭でお話ししたように、従来のEOSシリーズは1D、5D、6D、7D、2桁D、Kiss、というグレードの分け方ですが、そこにミラーレスが入ると、どの辺りに食い込んでくるのか?という所が示せたのではないかと思います。
今回のランキングに関しては公平さを心がけましたが、何よりも僕が気になるポイントを中心にジャッジしたので、色々ご意見もあるかと思います。versus.comなど便利な比較サイトもあるので、是非ご自分の気になる項目別で比較して見て下さい^^
ではまた!