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SONYとCanonの違いまとめ【カメラ業界の歴史から学ぶ】

投稿日:2021-09-18 更新日:

SONYとCanonの違いまとめ【カメラ業界の歴史から学ぶ】

Canonのミラーレス一眼開発が進むにつれ、市場はSONY一色から動きがあり、月別の販売台数ではEOS R6、R5が上位を独占するなど、正にミラーレス戦国時代。
そこへ「無双」の名を提げてEOS R3の登場ということですから、心揺れ動く方が多いのではないでしょうか?

これから動画や写真を撮っていく上で、どちらのカメラを選ぶべきなのか?
スペックがほぼ横並び状態まで来ると、もう何を基準に判断して良いかわかりませんよね。
そして困ったことに、価格が高騰すればする程なぜか期待してしまうわけです。

カメラ選びというのは、愛着を持てるか?というのも重要なポイントで、最新の機能が搭載されているか否かでは測れない部分が多くあります。
ですので、これから付き合っていくカメラブランドがどういう姿勢で製品開発を行っているのか、というのは重要な判断基準になってくるかと思い、この記事ではSONYとCanonの歴史から、それぞれの特徴をご紹介したいと思います。

ちなみに僕はこれまでに、Canonの一眼レフを3台、SONYのミラーレス一眼を2台使ってきましたので、どちらにも愛着がありますが、それぞれの長所と短所をしっかりお伝えできればと思います。




SONY αシリーズの歴史

SONYとCanonの違いまとめ【カメラ業界の歴史から学ぶ】

1985年、世界初の本格AF35mm一眼レフ「ミノルタα-7000」これがαシリーズの最初のカメラです。
Canonも「T80」によってAF化を実現していたものの、その性能の差は歴然でした。
ただし、これはミノルタの功績で、当時のSONYはカメラ開発では相当遅れを取っており、それは2006年4月にコニカミノルタからSONYにカメラ事業が引き継がれた後も続きました。

しかし、競合の一眼レフメーカーとは別のアプローチで、いち早くミラーレス一眼モデルの作成に取り組み、その結果大成功を収めました。
その立役者となったのは、2013年に世界初のフルサイズミラーレス機として登場したα7です。
現在SONYは、フルフサイズミラーレスカメラのα7およびα9、α1シリーズを提供しており、α7は一般層からハイアマチュアまでユーザー層を獲得しており、α9、α1は、プロの現場で使われています。
この勢いは止まることなく、10年足らずで3世代のα7シリーズを製造しており、今では数十のフルサイズ機を提供しております。 

SONYの躍進は『遅れてスタートした』というところがポイントなのかと思います。
当時、一眼レフカメラはCanonとNikonという二大メーカーがほぼ全てのシェアを占めており、SONYの入り込める隙は無かった状況で、軽量なミラーレス開発に踏み切ったのは、当然戦略でもあるけれど、「一眼レフカメラをもっとみんなのものにしたい」「誰もがいい写真を撮れること」というαカメラの精神が時代とマッチしたからではないかと思います。
勿論そこに開発者の弛まぬ努力があったことは確かです。

当時のαに寄せられた「重い、大きい」という声。かつて書きためたメモを見ながら、圧倒的優位に立つために一体何をすればいいのか、考えに考えた。そして出た答えが、社内にCMOSイメージセンサーの開発部隊を持つという技術的な強みを最大限に生かして、一眼レフをフルサイズセンサーでミラーレス化することだった。

出典:Diamond.jp 後発ソニーが世界初のフルサイズミラーレスカメラを開発できた理由

加えて、低予算で高品質さを求める一般ユーザー向けに、α6400などのAPS-Cタイプを用意することで、確実にユーザー層を広げている所がSONYのカメラ事業における在り方を物語っていますね。




Canon EOSシリーズの歴史

SONYとCanonの違いまとめ【カメラ業界の歴史から学ぶ】

1936年に満を辞して発売された第一号機「ハンザキヤノン」の開発においては、日本最大の光学メーカーとしての地位を確立していた日本光学工業(現在のNikon)の光学技術を取り入れることで実現しました。
その翌年からは自社でもレンズを開発するようになり、長年プロの写真撮影の為の新しい技術の開発に取り組んできました。

しかし、当時のCanonはAFの技術の差でNikonやミノルタから大きく突き放されており、それを挽回するべく1985年に立ち上げた開発計画こそが「EOS(Electro Optical System)」なのです。
一眼レフカメラのシェアとしてはCanonとNikonがトップを争う時代が続き、90年代後半からデジタル化が進む中で、CMOSセンサーや、映像エンジン「DIGIC」の開発に磨きがかかります。

そして2005年、EOS 5Dのデビューと同時にデジタル一眼レフカメラにおけるフルサイズ時代が幕を開けます。
続いて2008年にはEOS 5D Mark IIが発売され、特にその動画性能の高さは評価され、「一眼レフムービー」の火付け役となったのは有名な話です。
1Dシリーズはプロの現場用に、5D、7D(APS-C)はセミプロフェッショナルモデルとして浸透し、6Dにおいては軽量なフルサイズでありながら、動画性能は5Dと同等で、2020年にSONYが発売したα7Cのような位置付けでした。

しかしその後「CINEMA EOS SYSTEM」として本格的に映像制作の分野への参入を果たした事が、良くも悪くも、それからの製品ラインナップに大きく影響を及ぼした事は紛れもない事実であると考えます。
他社がミラーレス一眼の開発と動画性能に全力で力を注ぐ中、Canonはハイエンドな動画機能をCINEMA EOS SYSTEMに投下し、最新の「EOS MOVIE」を期待する一眼レフユーザーにとってはもどかしい時期が続きます。

しかし、考えてみるとこのブランドは80年の歴史がありながらも、常にイノベーションの先頭には居らず、ゆっくり着実に製品を開発する特徴があります。

それは一般層よりもプロの写真家のシェアをメインとしているからと考えれば納得のいく話ですが、そのせいもあって製品の価格は高騰し続け、それでも信頼されているが故に成立するという流れが、現代の身近なカメラ業界から見ると、異質に感じられる部分なのかもしれません。

光学技術においては圧倒的な実力を誇るCanon。
機能面で近代のトレンドからは少し遅れを取っていましたが、遅れてミラーレスカメラを市場に出し始め、EOS R5、R6で徐々に精度を上げながら迎えた2021年、その遅れも回収したEOS R3にて成熟具合がお披露目されるわけです。




性能の比較

SONYとCanonの違いまとめ【カメラ業界の歴史から学ぶ】

それぞれの高スペックミラーレス一眼を例に、7つのポイントを比較してみたいと思います。



1.センサー

SONYのイメージセンサーは世界一のシェアを誇ります。
Nikonのカメラにも採用されているその技術は絶大な信頼を置けますので、この分野においてはSONYが有利と考えられます。
Canonも独自にセンサーを開発しておりますが、世界一のシェアで、あらゆる分野にセンサーを提供しているSONYが得られる情報量は大きいです。
DXOMARKの比較からも確認できます。



2.AFの性能

AF/瞳AFに加えてリアルタイムトラッキング、少し前まではSONYの強みでしたが、CanonもEOS R5以降追いついてきましたので、今はほぼ互角です。
しかし、その技術を導入してからの長さから得られる精度の安定感で言うならSONYがやや有利です。



3.動画記録形式(最大)

ほぼ互角ですが、クラス違いのR3はやっぱり飛び抜けています。

  • SONY α7sⅢ:4K 120fps  / 外部RAW収録 4K60p
  • SONY α1:4K 120fps /8K 30p
  • EOS R5:4K 120fps / 8K 30p(熱問題あり)
  • EOS R3:4K 120fps / 6K 60p(RAW内部収録)

4K30Pまでの対応で燻っていたCanonも、今ではしっかり並んできています。
ちなみにα7sⅢは、フルHD240fpsが可能なのは嬉しいおまけです!
撮影時に選択できるガンマも、SONYは「S-Log」、Canonは「C-Log」を用意しております。



4.レンズオプション

CanonはRFマウントレンズを順当に増やしており、アダプターを介して使えるEFレンズも含めると、かなり充実した環境と言えます。
また、SONYもちょっと前まではレンズのラインナップが薄いと言われていましたが、今はかなり充実していると思います。
»Eマウントレンズ焦点距離別ラインアップ



5.防塵防滴

どちらのカメラも耐候性を誇っていますが、だからと言って水に浸しておく事に耐えられるわけではありません。 
どちらのブランドも、雨、雪、ほこり、がある屋外での撮影に十分耐えられる仕様ですが、Canonのカメラは、その頑丈な設計と長年の経験を併せ持つので、わずかに有利と言えます。



6.拡張性

ホットシューを使った、マイクなどの拡張デバイスの接続においては、SONYがリードしておりましたが、CanonもEOS R3からは導入してきましたので、今後は標準化していくのかと思います。
また、30分の連続撮影制限の撤廃と、給電しながらの撮影という2点においても、同様にCanonが遅れて対応(EOS R3)しております。



7.その他

ゼブラやフォーカス ピーキング、ガンマ表示アシスト、強力な手ぶれ補正、などもCanonがEOS R5以降ようやく実装してきた為、機能面ではかなり差が縮まっています。
SONYのメニューシステムが複雑で混乱を招くというのは有名な話ですが、これもα7sⅢでは改良されており、その後発売されたα1やFX3にも同じメニューが採用されていましたので、今後は心配無さそうですね。

Fnメニューのカスタマイズ性とアクセスの良さは、SONYに軍配かと思います。





まとめ

SONYとCanonの違いまとめ【カメラ業界の歴史から学ぶ】

では、SONYとCanonのどちらの良いのか?という議論においては、それぞれが特定の用途の為のものである為、比較することは困難という結論になります。

カメラで何を最も重視し、どちらが最も快適に使用できるかによって異なりますので、 多彩な機能が必要な場合はSONYが最適ですし、一方、利便性をそこまで追い求めず、光学技術の歴史の賜物であるレンズ郡を味方に表現を試みるのであれば、Canonという選択もあります。

それぞれの歴史と、目指す方向を理解する事で、自分に合ったブランドを選ぶことができると言うことですね。
これって、カメラだけに限らず、ファッションや、住まいにおいても言えることかもしれませんね!目に見えるトレンドは、どのブランドも実装してくるので、そこだけに翻弄されず、本質的な部分で判断したいですね^^
少しでも参考になれば幸いです。

ではまた!


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Indieemotion(インディーモーション)管理人
Shinpei Nakamura(ADEMOYO)

2014年から映像制作を開始。
制作案件はMVを中心にライブビデオや企業/店舗のPRビデオまで幅広く、企画から撮影/照明/音声/編集に到るまで基本ワンオペのハードモードFilmmaker。ヒーヒー言いながらやってます。
旅と屋台を愛し、2019年はストック素材撮りと称して1年弱アジアからヨーロッパを彷徨いながら撮影を敢行。超楽しかったです(^^)
このブログでは、誰でもカンタンに出来るビデオ撮影方法から、こだわり抜いた撮影/編集まで、割と広めの役立つ情報を公開していこうと思っています!