映像クリエイターに大人気の、NANLITE Pavotubeシリーズ。
一個は持っておきたい小型のRGB LEDライトですが、どれぐらいの規模の撮影まで使えるのか気になるところです。
たかが10,000円とは言え、無駄な買い物はしたくないですからね。
と言いつつも、直近の撮影に使えそうだったのでNANLITE PavoTube II 6Cを購入して早速使ってみました。
アイデア次第で色んな事に使える商品ですが、僕が気になっていたのは光量で、物撮りの距離感なら問題ないことは判りますが、大きな被写体、例えば人物や車、空間全体の色付けなど、こればかりは実際に使ってみないとわからないですから、実際に手に取って検証してみました。
出来るだけ多くの用途で使いたいと考えられている方は、是非参考にして下さい。
気になる光量 NANLITE PavotubeⅡ 6Cをレビュー
NANLITE PavoTube II 6Cは全長25cmのコンパクトな設計ながらも、最大36000色の調色に対応&バッテリー駆動式ということで、MVやテレビなど幅広い現場で活用されているライトです。
用途によって必要な露光範囲は変わってきますので、その点も抑えつつご紹介していきます。
- PavoTube II 6Cの用途
- 実際どれぐらいの光量なのか?
- バッテリー/電源周りの事
この順番に解説していきます。
PavoTube II 6Cの用途
まず、この製品は「キーライト(メイン)」として使うものではありません。
エフェクトライトとして映像の見た目に効果をもたらす存在で、あらゆるムードを作り出す為のアイテムと考えておいた方が良いです。
(物撮りなどの狭いスペースではキーライトとして活躍するかもしれません)
一般的な用途としては以下が挙げられます。
- エフェクトライト (ムードを作る)
- バックグラウンドライト(背景を照らす)
- プラクティカルライト(インテリアとしての照明)
- ヘアライト/リムライト(被写体のシルエットを出す)
- フィルライト(キーライトによって生まれた影を起こす)
PavoTube II 6Cは、ネオンライトのように光源をそのまま見せる用途と、どこかに忍ばせてムードをコントロールする用途がありますが、前者はインパクトがある分多様できませんが、後者に関しては”隠しアイテム”としてさまざまな用途で活躍します。
実際どれぐらいの光量なのか?
一番気になる光量ですが、公式情報によると、出力100%の5600Kで1m離れて169LUXという事で、正直これだけの情報だとイメージしにくいですよね。。
そこで、カメラを使って、下記の設定で距離別の露出を計測してみました。
1m置に18%グレーのカードを立てて、以下のカメラの設定で撮影した場合の露出です。
撮影時は完全に暗室で、PavoTube II 6Cのみ点灯している条件です。
- シャッタースピード:1/50
- 絞り:f2.8
- ISO:640
- PP OFF (ニュートラル)
- PavoTube II 6C:5600K / 100%
暗所の撮影で有りがちなカメラの設定ですね。
これが何を表しているかを説明します。
上記の画像は、カメラで撮影した露出(明るさ)を0〜100IREという単位で表した場合の結果です。
被写体であるグレーカードが、光源から離れるごとに露出は落ちていきます。
ちなみにスキントーン(肌の露光量)は60IRE前後に収めるのが正しいとされておりますので、その基準で見てみましょう。
1mの距離なら、スキントーンとほぼ同じである18%グレーが60IREという事なので、数値的には問題ないですが、実際には距離が近すぎてコントラストが高くなりそうですね。
2mになるとほぼ半分の光量になりますが、フィルライトやヘアライトとして考えるなら、キーライトの30%〜50%前後の明るさがあれば成り立つので、問題ないと言えます。
なので20IRE強ある3mまでは何かしらの照明の役割は果せると考えられます。
ただし上記のテスト結果は、5600Kのホワイトの場合で、カメラのISOも640です。
PavoTube II 6Cをブルーやレッドに設定した場合は同じ100%の出力でもこれより暗くなることは間違い無いですし、ノイズを防ぐ為にカメラのISOをもっと下げる場合は当然全体の露出が下がります。
総括すると、3m圏内の被写体には照明効果を与えることはできるということです。
カラーやパターンをしっかり被写体に当てたい場合は、約2m以内の位置から当てることが好ましいので、コンパクトな空間での撮影が想像できます。
あくまでも、PavoTube1本の場合という計算なので、数本用意して「面」を作る場合はその限りではありません。
バッテリー/電源周りの事
出力100%で1時間使えます。
「え?短くない!?」て思われますよね。
僕も信じられなかったのですが、確かに1時間で切れました。
ただ、回避策は3つあります。
- 出力を100%以下に設定する
意外と50%ぐらいでも何とかなるし、プラクティカルライトとして光源が見えるような映し方をする場合は、白飛びを防ぐ為に1%〜5%ぐらいに設定することになるので、その場合は6時間以上使用できます。 - モバイルバッテリーに繋いで使う
僕はAnker PowerCore 26800という大容量のモバイルバッテリーを使っておりますが、予備としては十分です。
注意点としては、USBを差してPavoTube II 6Cの電源をONにしただけでは数秒で切れてしまう場合があります。
これはモバイルバッテリー側の仕様で、モバイルバッテリーの残量インジケーターが点灯したまま(大抵はボタンを1回押すだけ)にしておく必要があります。 - 専用のバッテリーグリップを購入する
PavoTube II 6C&5C兼用のグリップが販売されてます。
NP-F550タイプのバッテリーを中に入れて使うものです。
良いポイント & 残念なポイント
まずはPavoTube II 6Cの良いポイント!
- 磁石が思った以上に強力!
- 両端にねじ穴がついているので三脚やライトスタンドに固定しやすい
- 給電しながら使える
- 内蔵エフェクトが割と使える(TV/ロウソク/切れそうな電球/パパラッチ/など)
続いて、ちょっと残念だったポイント
- よく使う色などのプリセットを追加登録できない
- アプリから操作できない(NANLink WiFiコントローラーが必要)
LEDライトにカラーフィルムを貼って使う手間を考えると、多少の機能不足は何のことありませんので、結構満足しております。
作業用照明にも使えるので、撮影後の片付けなど、いろんな場面で活躍しました^^
光量自体は決して強くありませんが、一本持っておくと「あって良かったー!」と思える場面が多々ありますので、お値段的にも自信を持ってお勧め出来る製品です。
公式サイトのリンクも載せておきますので是非ご覧ください^^
では!