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買って失敗した動画撮影機材ベスト7【何を基準に機材を選べば良いのか?】

投稿日:2022-01-30 更新日:

買って失敗した動画撮影機材ベスト7【何を基準に機材を選べば良いのか?】

思い切って買った撮影機材が全く役に立たなかった経験は無いでしょうか?
出来るだけ無駄な買い物はしたく無いので、念入りに調べて購入するはずですが、それでも空ぶってしまうことってあるんですよね…

僕はこれまでに星の数ほど失敗し、多くの涙とお金を垂れ流してきました。

ただ、それなりに失敗を繰り返していると、ある程度傾向が見えてきたりします。
その中の一つとして、自分の選択を肯定したいが為の”負け惜しみにも似た発言”が目立つというのもあり、買う前であれ買った後であれ、その兆候は危険サインと思うようになりました。

結局大切なのはその機材が何をもたらすのかという部分でして、この記事では過去に買って失敗した機材をざっとご紹介した後に、そこから学んだことを元に購入時の大切な考え方を深掘りしてみます。

正に今買い物で悩まれているなら、是非参考にして頂きたいと思います!




買って失敗した動画撮影機材ベスト8

買って失敗した動画撮影機材ベスト8

こんな言葉があります。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」:オットー・ビスマルク

僕は圧倒的前者なので、耳が痛い言葉です。
実際に機材選びのミスで、年単位の時間を浪費した自覚があります。
だから本当に大事な事なんですよね。

僕の過去の失敗を、今の状況に置き換えて、より良い判断をする為の材料にして頂ければと思います。

ちなみに機材そのものが粗悪だったわけでは無いので、結果として「失敗」と判断せざるを得ない理由は、全て自分自身に起因していると考えています。

そのカテゴリーを3つに分けるとこうなります。

  • 機動力を落とした
  • 役に立たなかった
  • 見立てが甘かった


それではいってみましょう!



1:EOS 70D

EOS 70D
  • 見立てが甘かった

2013年に初めて購入した一眼レフカメラです。
「よし!映像やるぞ!」と息巻いて買ったは良いものの、当時APS-Cが何なのか理解しておりませんでしたし、セットで付いてきたレンズがF値通しでは無かったという、動画を撮るには致命的なミスをしており大失敗でした。

勿論70D自体は良いカメラだったんですよ!
でも、本当はフルサイズのEOS 5Dに憧れていたのです。
なのに予算の都合もあり「とりあえず手始めに…」という弱腰が発揮されてしまい、この先数年動画をやっていく上でのカメラとしては失敗でした。

フルサイズの描写力に惹かれていながら、APS-Cを使い続けるというのは、製品は悪くなくても精神的にきついものがあり、結局1ヶ月後ぐらいにフルサイズのEOS 6Dに買い換えました。
動画性能においては5Dと同等だった為、その選択はコスパの良いものでした。



2:Aputure VS-2

Aputure VS-2
  • 役に立たなかった

当時は中国製の機材にまだ疑いが強かったのですが、どのフィールドモニターよりも安かったので思い切って購入しました。

が、EOS 6DがHDMIスルーに対応しておらず、フィールドモニターを使う場合はカメラのライブビューがOFFになるという現象をここで初めて知りまして、ほとんど使う機会がありませんでした。
なので、正確にはAputureが悪いわけでは無いのですが、フィールドモニターを買う場合は絶対に付き纏う問題なので、注意が必要です。
ちなみに5Dmk4を買ってからはHDMIスルーの問題もクリアされたので、ちょくちょく使っていましたが、「重い」「邪魔」「画質が悪い」という理由でレギュラー入りすることは1度もありませんでしたね。

そもそもフィールドモニターが欲しかった理由がMini JIB(後程出てくるミニクレーン)を使う時用だったので、Mini JIB自体の出動回数が少ない以上、わざわざ持ち出すということはありませんでした。

今思えば、ドヤテリア(ドヤりたいだけの機材)的な買い物だったのかと思われます。。



3:GENUSTEC Mini JIB

GENUSTEC Mini JIB
  • 機動力を落とした

ビデオ三脚に取り付けて使うミニジブ(クレーン)です。
ジブ自体は色んな撮影現場で使われており、独特の安定感と軌道から得られる映像はとてもリッチなので、購入時(2014年)は何の迷いもなく「絶対必要」と思って買いました。
しかし出動回数は数える程度でした。

この機材の何がネックかというと、最低でも5Kgのカウンターウェイトが必要なのと、絶対にビデオ三脚もセットで持っていく必要があるわけで、重量の問題が一番でした。
にもかかわらず僕は割と動き回る外ロケが多い&基本一人での撮影だったわけです。
どう考えてもミスマッチですよね!

「こんな映像を撮りたい!」という気持ちが先行して、自分の撮影スタイルや規模を全く考えていなかった良い例です。
製品自体はコンパクトな作りで良いものだと思いますので、全く活かすことが出来ず無念です。



4:Steadicam-Merlin-II

Steadicam-Merlin-II
  • 見立てが甘かった

現在主流の電動3軸ジンバルが普及する前は、ステディカムかグライドカムかという程、ウエイトでバランスを取るタイプのスタビライザーが主流で、それを購入したのが2015年だったのですが、失敗要素は複数あります。

動きが有機的でバッテリーも要らないという良さは有るのですが、とにかくバランスを取るのが難しいという特徴があり、ある程度覚悟していたとは言え、実際の撮影現場では風の影響やプレッシャーなども加わるので、部屋で練習したようにはいかないことが多かったと記憶しています。
NDフィルターの脱着も気軽に行えない繊細な構造ですし、とにかく慌ただしい撮影現場には不向きだったとしか言えません。
置き場所にもよく困ってました。

しかし一番大きな問題はそこではなく、買ったタイミングでした。
同じ2015年の春にはDJIが20万円を切る価格でRonin-Mを発表し、ここから個人が電動3軸ジンバルを所有する時代に突入したのです。

一方僕は、時代に取り残された事に気付きもせず、相変わらずMerlin2の特訓を繰り返していたのです。
このミスは、その後大きな時間的ロスを生むことになります。



5:Dji Ronin-M

Dji Ronin-M
  • 機動力を落とした

2015年に発売されたRonin-Mを手に入れたのは、なんと2年後の2017年でした。
Merlin2に翻弄される日々に嫌気がさし、遂に電動3軸ジンバルを手にしたのですが、これがどのように失敗だったのか?

誤解がないようにお伝えしておくと、色んな撮影現場で活躍しましたし、製品自体には満足しています。
しかし想定外だったのは、こんなにスナップ感覚で外を歩きながらVlogを撮ったりするような時代になると思ってなかった事です。
多くのビデオグラファーがアクティブに撮影に励む中で、最も持ち運びの不便なジンバルをそのタイミングで買ってしまったわけで、当然フットワークは重く、クイックな撮影が求められる現場を数多く取り逃がしたはずです。
その頃すでにZhiyunやMozaから片手ジンバルが発売されていたはずですが、「変な形のジンバルだな〜」ぐらいにしか思っていなかったのです。

見た目のガチ感は、クライアントワークでお客さんには好評でしたが、軽い気持ちで自主制作に臨めないという腰の重さは間違いなくありました。
これ持って街中でポートレートムービーとか面白過ぎますからね。
何回か撮りましたけど。



6:Manfrotto MVH502

Manfrotto MVH502
  • 役に立たなかった

悪あがきで買った雲台です。
何の為に買ったかと言うと、あまりにも使ってなかったミニジブを何とか活かせないだろうかと考え、本格的なジブが採用している自由雲台に近づけようと思い買ったものです。
そのままジブの先端にカメラを固定すると、一方向しか向けないので、それを改善しようとしたわけです。

結果、問題はそこではなく、むしろ軌道が不安定になり使い物になりませんでした。
そればかりか、追加のカウンターウェイトも含めて3kg強の荷物が増え、更に移動が苦しくなったのです。
往生際の悪さが招いた無駄な買い物です。



7:スペックの低いPCのカスタム

スペックの低いPCのカスタム
  • 役に立たなかった

動画編集を快適に行う為、もっと性能の良いコンピューターが必要という場面は数年周期で訪れると思います。
ぼくは当時2009年のMac book proを使っていたのですが、4年落ちともなると流石に動作が重くてストレスでしたが、買い替えるまでもないという感覚でして、そこでメモリの増設とHDDの増設を試みたのです。

結果ほとんど意味がなかった+無駄にお金と労力を使ってしまったわけです。
映像編集はGPUの時代に差し掛かっていたのに、それを無視してなんとなくやってしまった無駄な作業。
成果は無く、正規の修理が絶対不可の状況に追い込んだだけですね。。。

ハードウェアとソフトウェアと扱うデータの3つは常にバランスを取りながら先へ進んでいくので、中途半端な突貫工事を行うよりは潔く新しいコンピューターを購入する方が良いです!
所詮我々はIT産業のカモであるのです!




何を基準に機材を選べば良いのか?

何を基準に機材を選べば良いのか?

自分の撮影スタイル、または数年後のイメージを持って判断する必要があります。

「役に立たなかった」「見立てが甘かった」というのはある程度許容が必要になってきますが、自分が撮りたい作品と需要のある仕事にはある程度開きがありますので、そこのバランスを考えての判断は必須です。

特に失敗が重くのしかかるのは以下の2つです。

  • 買うタイミング
  • 機動力

前項でも軽く触れましたが、そこを詳しく説明いたします。


買うタイミング

出来るだけ早いタイミングで購入した方が良いです。
もしリリースから時間が経ち過ぎているなら、次を待つ勇気も必要です。

というのも、遅いタイミングで買うと値段は下がっていますが、常に時代の一歩後ろを歩む事になるからです。
例えば、世間で公開されている作品と自分の技術を比較した際に、そもそもスペックで負けていると、そこが原因なのかもしれないと思ってしまいますし、もし本当にそうだった場合でも、それを確かめたくて試行錯誤に無駄な時間を割く事になります。
勉強にはなりますが、結構不要な悩みです。


勿論色んな考え方があると思いますが、僕は販売戦略に踊らされていたとしても、それならトコトン踊り倒せば良いと言うスタンスですし、踊れる期間が長い分充実します。

あと、機材の買い替えのタイミングでは今持っているものをそのタイミングで売ってしまう事をお勧めします。
「まだ使うかも」と思っていても結局使わない事の方が多いので、そうこう言っている間にどんどん価値は下がり、タンスの肥やしにもならなくなります。
相当思い入れがあるなら別ですが、そうでないなら思い切りは大事です!



機動力

くどいようですが、機動力は本当に生命線です。
特に1人〜数人の撮影を行なわれる方は、機材が重かったり運びにくかったりすると、それが原因でチャレンジしないという状況が生まれるからです。
撮影当日のチャレンジ不足もそうですが、個人的な作品作りも億劫になり、映像を作ることが本当に面倒になります。
僕はそんな時期がありました。

大人数で制作を行うプロダクションの場合は、その辺りの負担が分散されますので話は違ってきますが、もしそういった制作スタイルを目指していないのであれば、その強みには間違いなくフットワークの軽さが挙げられます。

無駄に機材が嵩むと、それに合わせて車を買い替えたり、運ぶ人出が必要になったり、管理スペースが必要になったりで、とにかく歯止めが効かなくなりますので、もし小規模で制作を行うなら「機動力」を最重要視すべきです。
レンズ一本であっても影響します。




まとめ

無駄なく買い物するのって不可能です。

正直、一切無駄なく買い物するのは不可能です。
ただし、自分のスタイルや目指すところを明確にしておくことで、失敗は最小限に抑えることができます。

今回は”失敗”を中心に書かせて頂きましたが、勿論買って正解だった!と心から思える機材にも沢山出会っています。
そう言いう時って、最初からシンクロ率が物凄く高いので、すぐに「これは正解だ!」と思えるんですよね^^
ちなみに僕がここ1年ぐらいで買った機材の中でドンピシャだったのはDji RS2で、レンズはZeiss Batis 40mmでした。

どちらも軽さと安定感があり、レンズに関しては一番便利な画角なので、ちょっとした撮影なら大抵上記のセットで事足りるという状況です。

何を撮るのかで機材選びは変わってきます。
自身の今後も見つめながら機材選びをする中で、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです^^

ではまた!


参考記事
»【保存版】10分で解るDji RS2の全機能 – このジンバルで出来る事
»Batis 40mm 動画用でお勧めされる5つの理由【ライバルレンズと比較!】

撮影, 機材
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Shinpei Nakamura

ビデオグラファー / 映像クリエイター / 映像ディレクター として活動しており、建築・広告・MV などの映像制作を行なっています。
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