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「ズームレンズは要らない」は嘘。単焦点レンズに勝るポイント5選

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「ズームレンズは要らない」は嘘。単焦点レンズに勝るポイント5選


「ズームレンズは画質が悪いから要らない、本気でカメラをやるなら単焦点レンズで焦点距離の感覚を掴んだ方が良いよ!」というアドバイスを耳にした事があるのでは無いでしょうか?そんな事を言われると、どうしても単焦点レンズに拘ってクリエイティブ感を出したくなってしまうのが人の性。

しかしちょっと待って下さい!
その意見の発信源はどこですか?
その判断はあなたの撮影スタイルに当てはまりますか?

ズームレンズは間違いなく持っておくべきレンズです。
単焦点派の意見に翻弄されて悩まれている方は、一度立ち止まって情報を整理してみましょう。

この記事ではズームレンズが単焦点レンズに勝る5つのポイントと、シーン別の使い分け、購入すべきズームレンズの種類について解説いたします。

これから本気で写真・動画に取り組まれる方は必見です!



「ズームレンズは要らない」は嘘。単焦点レンズに勝るポイント5選

「ズームレンズは要らない」は嘘。単焦点レンズに勝るポイント5選


ズームレンズが必要である理由は、包み隠さず言うと「便利で楽」だからです。
この言葉に抵抗を感じられる方もいらっしゃると思いますが、「カメラは難しくて大変」である必要はありません。
道具は適材適所に配置されるべきであって、それをコントロール出来ることが大事です。
ズームレンズの主なラインナップで言うと、標準ズームと言われる24-70mm/F2.8や、24-105mm/F4などの広角〜中望遠をカバーするものがございます。
更に70-200mm/f2.8の通称ナナニッパと呼ばれるレンズも人気ですが、今回はまず使用頻度の高い標準ズームレンズをイメージしながら解説を進めていきます。


1.焦点距離別のレンズを4~5本持ってるのと同じ

近くと遠くが撮れるのがズームレンズと言う考え方ではなくて、各焦点距離のレンズ(単焦点)を複数本内蔵しているのがズームレンズと考えた方が、価値を理解しやすいです。

仮に24-70mmのレンズなら、24mm、35mm、40mm、50mm、70mmの5本を所有しているのと同じことですから、間違いなくお得ですよね。
更に荷物のことを考えると、どう考えても1本で済ました方が楽です。


2.煩わしいレンズ交換の手間要らず!センサーにも優しい

レンズ交換は撮影のテンポを落とす上にカメラ内に埃が入り込む可能性が高いので、出来るだけ行いたくないものです。
特に屋外での撮影だと雨や埃が多いですから、複数本の単焦点レンズを使い分けるなんてリスクは取りたく無いですし、場所の問題などで交換するのも面倒です。

あとNDフィルターを使う場合は複数のレンズに付け替えるか、レンズの本数分用意するということになりますので割と大変です。
その点ズームレンズは1本付けっぱなしで余計な作業が無いので、その分撮影に集中できます。

3.焦点距離を学びやすい

焦点距離の感覚を掴む上では、その焦点距離のレンズを持ってないとわからないというのは当然ですが、ズームレンズの場合だと即座に焦点距離を変えて被写体との距離感や画角を調整することが出来るので、焦点距離の特性を理解する上で非常に役立つ道具となります。

僕自身、カメラを買いたての頃は16-35mmと50mmの単焦点しか所有してなかったので、次に必要なレンズを探る術もなく何故か100mm Macroを購入したという痛い思い出があります。

4.機会損失を防ぐ

写真であれ動画であれ「面倒臭い」が最大の敵です。
機材の性能による画質の差なんて比べ物にならない程クリエイティビティを破壊する恐ろしい魔物が”面倒臭い”です。
撮影現場というのは基本的に時間に追われているもので、そこへ上記で挙げた1〜3の状況が重なることを考えると、最も最善なアプローチを怠ってしまうわけです。
しかしズームレンズならその状況を回避し、ストレス無くベストを尽くせるわけです。

5.最近のズームレンズの描写力を侮ってはいけない

ここ10年で目覚ましい進化を続けるカメラ業界において、ズームレンズの欠点である解像力、色収差、歪曲などは随分改善されてきております。
編集ソフトの進化も相待って、単焦点レンズに引けを取らない仕上げが可能ですし、実際そのままでも十分な描写性能まで辿り着いているという感覚があります。

当たり前のようで見落としがちなズームレンズの魅力は伝わりましたでしょうか?
しかしそれでも単焦点レンズを選択される方が居るのは事実。
その辺りの考え方について深掘りしてみましょう。


単焦点レンズ派と意見が割れるのはなぜか?

単焦点レンズ派と意見が割れるのはなぜか?


意見が割れるのは当然。
目的や立場が違うからです。

単焦点レンズは間違いなく良い描写力を持っていますので、使えるなら使った方が良いのは確かです。
但しズームレンズを否定する必要は全くありません。

効率を重視するプロはズームレンズを使う

撮影の企画段階や実際の撮影現場で時間を使えるプロジェクトの場合は単焦点レンズを使う傾向が多いです。
映像の場合でしたらシーンの目的の為に適切なレンズを選びますし、スチール撮影もパターンが決まっている撮影なら単焦点が選ばれる事は多いです。
但し上記で挙げた撮影は世の中の撮影需要の数パーセントであって、大半のプロカメラマンはズームレンズを使っています。

判断の基準となるのは「こだわり<効率」であって、それが結局限られた環境で最大のパフォーマンスを産むことに繋がるからです。

単焦点レンズは余裕があれば使えば良いと思います。
当然ながら「やっぱ単焦点は違うな!」と感じるはずですし、そのトレードオフを理解する事は大事です。

あなたが何を撮る人なのか?が大事

作品なのか、記録なのか、資料なのか、写真や動画の目的は様々です。
そして趣味なのか、仕事なのか、という要素も加わります。

「趣味で作品」という方には是非単焦点レンズをお勧めしますし、その方が楽しいはずです。
それ以外なら迷いなく標準ズームレンズの導入をお勧めします。

ちょっと面白く無い話ですが、仕事で撮影を行う場合、勿論最大のクオリティを追い求めますが、それ以上に絶対に失敗しないという事が求められますので、総合的なバランスから考えてズームレンズが採用される事が多いように思います。
100点は出せないけど、80点前後は確実に出し、60点以下は絶対に出さない。
これがズームレンズの描写性能で納得し、取り回しの良さを味方につけて戦う大きな理由です。

カメラを扱う自分自身がどんな環境で撮影するのかで答えが変わるという事ですが、単焦点で固める必要は全く無いわけです。

単焦点のオシャレ感

見た目の話ではありません。
いや、見た目も若干オシャレに見えるかもしれませんが、単焦点で撮った作品は一味違いますよね。
構造上ボケ方も美しく、「表現」という視点で言うと間違いなくズームレンズに勝ります。
そのチョイスがはまる環境なら積極的に使いたいレンズである事は間違い無いです。


目的や立場によるレンズのチョイスに関するお話でした。



購入すべきズームレンズの種類

購入すべきズームレンズの種類


ここまでズームレンズの魅力について単焦点と比較しながら解説してまいりましたが、実際に購入するならどういう基準で選べば良いのか?すごく大事な話です。

結論から言うと、そのクラスで一番良いレンズを選ぶべきです。

中途半端にケチると「やっぱズームレンズクオリティだわ…」となってしまいます。


標準ズームレンズの例

  • SONY:FE 24-70mm F2.8 GM II
  • Canon:RF24-70mm F2.8 L IS USM
  • Nikon:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
  • SIGMA:24-70mm F2.8 DG DN

見るポイントはF2.8通しである事。
欲を言うなら出来るだけ軽い事。

SONYユーザーならFE 24-70mm F2.8 GM IIが脅威の695gという軽さを実現しておりますので、相当恵まれております。

30万円弱と値は張りますが、やむなしと言うところですね。
SIGMAに関しては唯一15万円を切る価格ですがその分重いです。

注意したいのは、似たような商品で24-105mm/F4という半額ぐらいのレンズが有り悩んでしまうところですが、迷わず24-70mm/F2.8を選んで下さい。
思いの外「F4」の壁は分厚く、自分の撮影スタイルを把握しきっている人にとってはありがたいレンズですが、そうで無い方にとってはかなり厄介です。




まとめ

「ズームレンズは要らない」は嘘


「ズームレンズは要らない」は嘘。という理由についてお話しさせていただきました。

実は僕、Canon時代に EF24-105mm F4L IS USMを所有していたのですが、暗くて重いという理由で完全に無いものとしていた経緯が御座いまして、その後わかりやすく”単焦点万歳人”に目覚めそれで満足してやりくりしていたのですが、結果として得意な焦点距離ばかりで撮影する事が多くなり、自身の成長を妨げた自覚があります。
また、動画も写真も仕事が多岐にわたるようになりレンズ交換が足枷となるケースがちょこちょこ出てきだして、改めてズームレンズの素晴らしさを思い知ったわけです。

この経験が、同じような境遇の方のお役に立てば何よりです。

ではまた!


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Shinpei Nakamura

ビデオグラファー / 映像クリエイター / 映像ディレクター として活動しており、建築・広告・MV などの映像制作を行なっています。
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