動画のクオリティをもう少し上げたいけれど、ちょっと伸び悩んでいるという方。
新しいテクニックや知識を取り入れる事は勿論大事ですが、今持っている技術の活かし方や、作品作りを行う上でのコツを知ることは、それ以上に大事です!
動画に限らず、創造物をこの世に生み出すという作業においては”判断”が肝を握っておりまして、様々な決断をする上で、ベースになる”クリエイターの考え方=心得”が無くては路頭に迷ってしまうことになります。
そこで本記事では、「映像クリエイターたるもの、こういう思考で臨まねば!」という心得を5つのカテゴリーに分けて30項目ご紹介いたしますので、必ずみなさんの心の支えになるはずです。
是非今後の作品づくりのお供に添えて頂ければと思います!
映像編集・作品づくりに臨む姿勢
動画・映像編集は「作業」のように感じる場面も多いかと思いますが、そこには様々な決断があり、それこそが表現であり、何度も訪れる混沌とした場面での立ち回り方次第で作品のクオリティは大きく変わります。
✔️ ファーストインプレッションを大切にする
作品にとって「パッと見た時の雰囲気」というのは非常に重要です。
何をやったかより「どう感じるか」それを肝に銘じておきましょう。
✔️ コンセプトを常に考える
例えばテクニックを駆使した映像も良いですが、レベルの高さを見せつける事が、じっくり観る映像として必ずしも「是」ではないのでTPOを考えましょう。
✔️ ジャンルの固定概念を捨てる
優しい曲をイメージして制作に臨んでいたとしても、割と180度違うジャンルにも対応できたりするので、勇気を持って方針を変えてみるのもあり。
✔️ 何をやるかが大事
人と同じ機材やソフトで、ありがちな作品を作る事を引け目に感じる必要はありません。
何をやるかがポイントです。人と同じ言葉を使っていてもその中で自分らしさを表現出来るのと同じです。
✔️ 創造物を大切にしすぎない
手間暇かけて編集した素材であっても、未練無くバッサリ切り捨てられる大胆さは常に必要。
構成を考える
ハリウッドですら綿密な準備・構成の元に撮影した映像素材を後から平気で入れ替えたりします。
柔軟な考え方はクオリティアップに繋がります。
✔️ 作品の”スケッチ”に気合いを入れ過ぎない事
一本の作品を作る場合、最初の段階では大雑把に素材を並べてみるぐらいで良い。
全体像が見えて来てから作り込んだ方が、無駄が少なくて済みます。
✔️ 勿体ぶった構成にしない
一番最後に一番お気に入りのショットを持って来る事がはたして正解なのか?
後半にピークを持って来るために前半がつまらないものになっていないか?
客観的な視点が必要です。
✔️ 混ざらない素材は使わない!
不快な違和感を生じる素材はどんなに加工&調整してもダメ。
早めに諦めるのが得策。ダメな物はダメ。
✔️ 固定ショットを使うなら「変化のある素材」を使う!
固定でもフレーム内に変化がある素材は、見ていて飽きないですし、本来映像ってそういうものです。
✔️ セオリーに固執しない
例えば時間の経過を表現したい場合に、ピッタリのカットインカット(インサート)が無かった時は暗転させるという選択肢もあるのです。
制作環境を見直す
慣れ親しんだ当たり前の編集環境やフローを時に見直すことは大事です。
作業効率の良さばかりを追い求めるのではなく、編集した映像のクオリティを立証できる事を重視すると良い環境が整います。
✔️ さまざまな環境でプレビューする
できれば作業はカラーマネージメントされたディスプレイで、プレビューはスマホ、テレビ、複数のブラウザを使い分けるなど、いろいろなシチュエーションで行うと気付きがあります。
✔️ オーディオは必ずヘッドフォンで確認する
ダウンロードしたSEや送られてきた音源が綺麗に処理されているとは限りません。
ヘッドフォンを使ってミックスを行う事で微妙な違いを識別でき、一気にクオリティが上がります。
✔️ マイクには金をかける!
中途半端なマイクを選ぶと、オーディオ処理の時間が膨大にかかる上、他の動画と比べて劣っていると感じてしまうことも多いので、精神衛生上良くないです。
マイクは良いものを選びましょう。
✔️ ディスプレイが省エネモードになってないか確認する
プライベートでも使っているPC環境の場合、何かのきっかけで画面が暗めに設定されてしまっていることもあるので要注意です。
✔️ 翌日見て判断する
良い出来だ!と思ったのに翌日見たら最低…。
これはカット編集、カラー、オーディオの全てにおいて頻繁に起こりえる事を忘れない。
✔️ 修正バージョンは別で管理する
完成後に修正を施す場合は、丸々コピーしたデータを別のシーケンスで編集するか、別名保存で新しいプロジェクトを作成する。いつでも最初の状態に戻せるようにしておきます。
解決策は割と単純だったりする
なんでも難しく考えれば良いと言うものではありません。
抑えるべきポイントさえ抑えておけば、創作は自由です!
✔️ リファレンスを参照してみる
理想のカラーに近づかない場合は、リファレンス(参考)になる映像や写真をタイムラインに並べておき、それを参考にスコープを見ながらバランス取りを行うとうまくいきます。
✔️ リファレンス画像をスコープで見て衝撃を受けよう
理想のLookに近づけるにはスコープで分析するのが一番。
パッと見だと「寄せれた!」と思っていても、波形で見ると全く違うなど、良い刺激になります。
»参考記事:Lumetriスコープはこうやって使う!【何を見るのか?どう使うのか?】
✔️ 市販のLUTを当てるだけでもOK
良い映像になるなら市販のLUTでも積極的に使います。
それをどう感じさせるかは自分次第です。
✔️ 肌補正では意識してディティールを残す
気が付くと何もかもツルツルに加工してしまいがちですが、唇のシワやまつ毛までソフトにならないように注意が必要。あと、フレームの面積に占める肌の割合によって、加工の強さを調節します。
✔️ 必要がなければエフェクト処理はしない
エフェクトは必要最低限にした方が効果的です。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
✔️ ノンエフェクトで見てみるのも有り
カラーグレーディングが上手くまとまらなくて、映像がが混沌としてしまったら、一度エフェクトを全部切ってカラコレし直してからグレーディングしてみましょう。
✔️ ノリは大事
曲に合ったノリは素材の並べ方だけでは作れません。
もちろんそれも大事ですが、ショットの長さとメリハリも大きな要素です。むしろそちらを優先する場合が多いです。
✔️ 面白いエフェクトは、狙いをハッキリさせて大胆に行う!
消極的な操作ならしない方がよい。狙いを付けたら大胆に適応し堂々と効果を楽しむ!
✔️ 彩度を足してみよう
撮影日の日照条件によっては彩度が不十分な場合も多いので、臆することなく彩度を上げてみましょう。
割とこれで解決したりします。
✔️ 雰囲気を出したい時はとりあえずビネットを追加してみる
なんとなく雰囲気が良くなる。勿論狙って使うに越したことはない。
✔️ ガチャガチャした画になったらとりあえずコントラストを下げてみる
オシャレな動画っぽくなり、息苦しさから解放されます。
特に露出アンダー気味の素材の場合は明るさを確保しようとしてコントラストが強くなりがちです。
全体を通しての心得
最後に総合的な心得を3つ!
✔️ 適応させた加工には責任を持つ
映像編集はコンマ数秒まで気を配り、長さとタイミングを吟味したいものです。
✔️ 特定の素材にこだわり過ぎない
素材によっては、例え重要なショットであっても、どうやってもしっくりこないものがあります。そういう素材は無理して使わない。うまく見せるには、まず不自然な部分を除去する事です。
✔️ 再現できることがプロの証
偶然うまくいった編集を、別の条件でも再現できる事が大切です。
うまくハマった要因などは必ず分析して自分の持ち札にしましょう。
まとめ
割とガッツリ制作に励んで来られた方は、薄々気がついていた部分も多かったのではないでしょうか?上記で挙げさせて頂いた30項目に関しては、僕が映像制作を始める以前に音楽制作を行なっていた時にも感じていたことなので、どの分野においても共通するものだと思っています。
動画・映像編集を行なっていく上で、クリエイターとしての判断基準を幾つか備えておく事は、作品のクオリティアップに繋がりますので、共感できるものがあれば是非取り入れてみて下さい^^
そしてより一層、表現、制作を楽しんで頂ければと思います!
では!