
一眼レフとミラーレス一眼は何が違うのか?
時代はミラーレスのようだけど、一眼レフには存在意義がないのか?
そんな疑問にお答えします。
まず、初めにお伝えしておきたい事ですが
今からカメラを始めるのなら、ミラーレス一眼一択です。
写真でも動画でも同じ結論になります。
とは言え、まだまだ一眼レフを愛用するカメラマンが大勢居るのも事実ですので、それぞれの特徴をご紹介しながら、なぜそう言えるのかを解説させて頂きます。
僕自身、過去3台の一眼レフを愛用しており、現在はミラーレス一眼で仕事をしておりますので、これからカメラを始める方も、乗り換えで悩まれている方にも参考にして頂ける内容かと思います。
今さら聞けない一眼レフとミラーレスの違い

一眼レフとミラーレスの違いは凄くシンプルです。
- 物理的なミラー構造の有無
- ミラー構造の有無によって生まれたメリットとデメリット
順番に解説します。
物理的なミラー構造の有無

ミラーレス一眼には、カメラ内部で光を反射させてファインダーに映し出す為の「ミラー」と「ペンタプリズム」およびそれらを補助するパーツが存在しません。
それゆえにミラーレス一眼は、小型軽量化とコストを低くすることに成功しております。
ここが決定的な構造の違いであり、進化を分ける大きな分岐点となりますが、当然違いがこれだけということではありません。
ミラーレス一眼は、ミラー構造がなくなったことで得られたメリットの代わりに生まれた多くの課題を解決する為に、10年の歳月をかけて現在の形となっておりますので、細かい部分は色々変わっております。
詳しくは、次の「メリットとデメリット」と合わせてご紹介します。
ミラー構造の有無によって生まれたメリットとデメリット

ざっとまとめると、こんな感じです。
一眼レフカメラ | ミラーレス一眼 | |
1.サイズ | 大きい | 小さい |
2.重量 | 重い | 軽い |
3.レンズのラインナップ | 多い | 少ない |
4.バッテリーの耐久性 | 長い | 短い |
5.ファインダーのタイムラグ | 無い | 有る |
6.測距点の多さ | 少ない | 多い |
7.AFの速さ/正確さ | 早い/正確 | 早い/正確 |
8.イメージセンサー | 過去の技術 | 新しい技術 |
9.画質 | 過去の技術 | 新しい技術 |
10.手ぶれ補正 | 過去の技術 | 新しい技術 |
11.連写性能 | 16コマ/秒* | 30コマ/秒* |
*条件あり
一眼レフの開発・生産は大手メーカー各社が終了、又は終了を予告しておりますので、単純に最新技術でミラーレス一眼が上回るという項目が沢山あります。
それぞれを詳しく解説していきます。
- サイズと重量
構造上ミラーレス一眼の方が軽くなります
- レンズのラインナップ
歴史のある一眼レフと比べるとミラーレス一眼対応のレンズは確かに少ないです。
しかし、ここ数年のリリース量を考えれば心配する必要はまったくありません。
スポーツや報道で使われるような望遠レンズのラインナップも随時リリースされておりますので、その差は埋まりつつあります。
- バッテリーの耐久性
バッテリーの持ち時間を比べると一眼レフの方が長持ちします。
それは、ミラーレス一眼が単純に電子ビューファインダーを使っている為、電源を入れたままだとバッテリーを食い続けるからです。
これはミラーレス一眼の大きな課題ですが、年々ましにはなってきています。
- ファインダーのタイムラグ
ミラーレス一眼は電子ビューファインダーを使っている為、光学式の一眼レフと比べると若干の遅れがあります。
改良されてきているとは言え、一眼レフの光学式ファインダーには及びませんので慣れが必要です。
特にスポーツカメラマンなどは、それが理由で今でも一眼レフを使う方は多いです。
ちなみに、我々が普段使っているスマホのカメラは光学式ではないので若干遅れますが、それよりは全然マシです。
- 測距点(そっきょてん)の多さ
測距点とはピントを合わせられる位置/範囲のことを言います。
一眼レフは構造上中心に寄りがちですが、ミラーレス一眼は広範囲にピントを合わせる事が出来ます。
- AFの速さ/正確さ
位相差AFの恩恵により、AFの速さは一眼レフの方が優秀とよく言われておりましたが、最近のミラーレス一眼はコントラストAFと撮像面位相差AFをうまく使い分けることで、一眼レフを上回るスピードを実現しております。
また、測距点の多さもあいまって、正確なAFとそのトラッキングが可能です。
AFの構造についてはこちらの記事(外部リンク)をご覧下さい。
- イメージセンサー
新しく開発されるイメージセンサーは、ミラーレス一眼に採用されておりますので、今後その差は更に開くと考えられます。
- 画質
センサーや画像処理エンジン、レンズによって変わるものですが、その全てが常に性能を塗り替えており、ミラーレス一眼に採用されておりますので、今後その差は更に開くと考えられます。
- 手ぶれ補正
最近だと5軸手ぶれ補正が搭載されている機種も出てきておりますが、CanonのエントリーモデルEOS Kiss X10i(一眼レフ)にも搭載されています。
手ぶれ補正に関しては、どちらかというと入門機に積極的に搭載していく傾向はありますね。
ただし、今後の新しい技術がミラーレスにしか反映されないという点は上記と変わりません。
- 連写性能
ミラーレス一眼は高速連写が可能です。
物理的にミラーが存在しないので、α1やEOS R3のように30コマ/秒を撮影できる機種もあります。
しかも静音で行えます。
少し味気ない気もしますが、これが進化ということですね。
ミラーレス一眼は誕生して間も無い製品なので、まだ古い情報が入り乱れております。
しかしこの記事を更新している2022年現在、目覚ましい発展を遂げておりますので、おそらく誰もが「一眼レフに戻りたい」と考えることは無いはずです。
一眼レフは今後どうなるのか?

ある程度成熟した一眼レフは一定の需要が有る限り残り続けるでしょうが、レンズ交換式カメラの主力はミラーレスカメラで間違い無いでしょう。
ただし、フィルムカメラが現在でも一部で使われているように、一眼レフもずっと使われていくのだと思います。
オールドレンズを使った作品の為であったり、シャッターを押す感覚への拘りだったり、理由は様々かもしれませんが、一つの時代を築いてきたシステムであることは間違いありませんからね!
というわけで、一眼レフとミラーレス一眼の違いをまとめさせて頂きました。
ミラーレス一眼の、デメリットとしてあげられる点もちらほら出てきたとは思いますが、今の開発スピードが続けば近い将来解決するものだと思います。
なので、これからカメラを買おうという方にはミラーレス一眼をお勧めします。
少しでも参考になれば幸いです。
ではまた!
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